ECモール事業の継続・販路の見直し・撤退判断を解説するECグロースチャンネルの動画サムネイル

この記事で分かること

  • ECモール事業の「継続・販路の見直し・撤退」を考える3つの選択肢
  • 売上だけでは見えない利益と、改善余地を確認するポイント
  • 次の施策・担当者・予算・判断期限を具体化する方法

「広告費を増やしても利益が残らない」「モールを続けるべきか、自社ECに力を入れるべきか」。EC事業の先行きに不安を感じたときは、今の売上だけで結論を出す前に、事業の状態を整理しましょう。

判断の軸は、利益が残る構造か、次に試せる打ち手があるか、それを実行する人と予算を確保できるかです。継続・販路の見直し・撤退を同じ材料で比較すると、次に何を確かめるべきかが明確になります。

本記事は、ECグロースチャンネルの2026年10月6日公開動画をもとに、EC事業の方針を見直す考え方を整理したものです。動画で語られた見解と、編集部が補足する比較表・実行手順を分けて紹介します。情報確認日:2026年10月12日。

執筆者プロフィール

この記事の監修者
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株式会社Wacworks

代表取締役社長

舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。

本記事は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10などのECモール支援を手がける株式会社Wacworksの代表取締役社長 舟瀬 悠が監修しています。また、当サイトのコンテンツは、株式会社Wacworksが定める「コンテンツ制作・編集ポリシー」に基づいて制作しています。

動画が示す、EC事業者の3つの選択肢

EC事業者の選択肢として販売形態の見直しを説明する動画の場面
元動画より。該当場面を見る(1:58〜)

動画では、今の事業をさらに伸ばす、モールと自社ECなどの販売形態を見直す、退店・撤退を検討する、という3つの方向が挙げられています。背景にあるのは、出店しただけで売れると期待せず、集客や改善を自ら進める必要があるという出演者の問題意識です。

これは全店舗に同じ結論を当てはめる話ではありません。商品、顧客、利益の構造、使える人員はそれぞれ異なります。以下は動画の考え方をもとに、編集部が判断材料を整理した表です。

方向性まず確認すること判断前に行うこと
現在の事業を伸ばす利益を確保でき、改善する場所が見えているか伸びしろのある商品・施策に優先順位を付ける
販路の重点を見直す顧客と商品の相性、集客方法、運営負担はどう違うか主力にする販路と、補完的に使う販路の役割を決める
縮小・撤退を検討する改善案と実行体制がなく、負担が続いていないか改善計画の実現性と、縮小・停止した場合の影響を比較する

大切なのは、今ある不安を「利益」「集客」「商品」「運営体制」などの具体的な課題に分解することです。料金の変更がきっかけでも、それだけで事業全体の将来を決めず、自社の収支と改善の可能性を確認しましょう。

選択肢1.継続するなら、改善の優先順位と実行速度を上げる

動画では、すでに売上があり、蓄積したデータを施策に使える企業には、さらに事業を伸ばす余地があるという見解が述べられています。そのうえで、未実施の施策を洗い出し、課題や伸びしろに応じて優先順位を決めることが重視されています。

編集部からの提案は、「できることを全部増やす」のではなく、まず改善対象を1つに絞る方法です。たとえば商品ページの購入率に課題があるなら、広告予算を増やす前に、説明・画像・比較情報など、購入を妨げている点を確認します。

継続方針を具体化するメモ

  • 課題:どの商品・販路で、何が伸び悩んでいるか
  • 仮説:どの点を変えれば、どの指標が改善すると考えるか
  • 実行:誰が、いつまでに、何を変更するか
  • 検証:売上・利益・作業負担を、何と比べて確認するか

動画ではAIを活用して施策の速度を上げ、戦略を考える時間を作ることにも触れています。導入自体を目的にせず、集計や制作などの作業を整理し、担当者が判断に時間を使える状態を目指しましょう。

商品ごとの改善優先度を整理したい場合は、アクセス数と転換率を使ったECのABCD分析も参考になります。

選択肢2.モールと自社ECの役割を見直す

動画では、モールで売上を伸ばす進め方と、自社ECで特定の顧客に商品とメッセージを届ける進め方を分けて考え、限られた資源をどこへ集中するか判断する必要性が語られています。

編集部としては、「自社ECなら利益が出る」「モールなら集客を任せられる」と決めつけず、実際の顧客獲得方法と運営費用を比較することを勧めます。サイトを移しただけで、集客や商品訴求の課題がなくなるわけではありません。

比較する項目整理する内容
顧客と購入理由誰が、どんな場面で、何を評価して買っているか
集客方法検索・広告・SNS・既存顧客など、売上につながる経路があるか
残る利益値引き、原価、送料、販売手数料、広告費、運営費を反映しているか
運営体制商品登録、販促、在庫管理、問い合わせに何人・何時間を使うか
販路の役割主力の売上を作る場所か、特定の顧客に届く補完的な販路か

動画の終盤では、自社ECを主軸とする企業がモールを追加する選択肢にも触れています。モールを好んで使う顧客への接点として考える、という趣旨です。これは全モールへの一斉出店や、すべてのセールへの参加を勧めるものではありません。

複数販路を続ける場合も、販路ごとの役割を決め、採算と管理負担を確認します。在庫や作業の整理については、複数モール運営の戦略と連携のポイントをご覧ください。

選択肢3.縮小・撤退は「次の打ち手」とセットで検討する

改善のための次の打ち手がない状態を、事業を見直すサインとして説明する動画の場面
元動画より。該当場面を見る(5:03〜)

動画では、広告の獲得単価が上がり、売上につながっていない状態や、改善を進める体制がない状態を注意すべきサインとして挙げています。とくに強調されているのは、何をすれば次の展開につながるかという打ち手が見えなくなることです。

一時的な売上減少だけで撤退を決めるのではなく、原因を特定できるか、試せる改善案があるか、実行に必要な条件をそろえられるかを確認しましょう。以下は編集部による整理です。

方針を見直す前の確認項目

  • 利益が残らない商品・販路と、その原因を把握できている
  • 改善案が、単なる「広告を増やす」「売上を伸ばす」で止まっていない
  • 施策を実行する担当者と、必要な時間を確保できる
  • 検証に使える予算と、結果を見て判断する時期を決めている
  • 縮小・停止する場合の在庫、受注、顧客対応への影響を整理している

改善案がない場合と、案はあるが実行できていない場合では、取るべき行動が違います。前者は顧客・商品・採算を整理し直し、後者は担当や業務配分を見直します。それでも実行可能な計画が作れない場合は、続ける費用と縮小・停止の影響を並べて比較します。

売上やROASだけでなく、広告費を引いた後の利益を見る

広告の獲得単価に不安があるときは、売上と広告費だけを見て判断しないことも大切です。Amazon Adsの公式ガイドでも、ROASは利益率と合わせて見る必要があり、ROASが高くても利益が残らない場合があると説明されています。

また、獲得単価を判断する際には、注文あたりの利益や継続購入の状況も確認します。出典:Amazon Ads公式「Ads Math」(2026年10月12日確認)。

自社の管理表では、対象期間と税の扱いをそろえ、売上から商品原価・送料・手数料・値引き負担・広告費などを差し引いた状態を確認しましょう。さらに固定費や運営の人件費も含めて、事業を続ける負担を整理します。値引き後の売上を使っている場合に値引きを二重に引くなど、費用の重複計上にも注意してください。

将来のリピート購入を見込む場合は、期待だけで判断せず、実際の購入回数や継続期間を確認します。売上が伸びていることと、継続できる利益が残っていることを分けて確認すると、施策を増やすか見直すかを判断しやすくなります。

数字を施策判断につなげる整理方法は、EC広告レポートの作り方と利益判断のポイントで詳しく解説しています。

次の会議で決めたいのは、方針と検証条件

動画が伝えるのは、漠然と続けるのではなく、自社がどの方向へ進むかを考える必要性です。編集部の実践提案として、次の会議では「課題・次の施策・担当者・予算・判断期限」を1枚にまとめてみてください。

たとえば「購入率が低い主力商品について、説明不足を確認し、商品ページを修正する。担当と工数を決め、修正前後の流入元・購入率・利益を比較する」といった形です。検証期間は商品の購入頻度やセールの影響に合わせて決め、短期間の変動だけで結論を出さないようにします。

その結果をもとに、現在の事業へ追加投資するか、販路や商品を絞るか、縮小・撤退を検討するかを判断します。判断期限と必要な材料を先に決めておくことで、先送りを減らせます。

元動画でEC事業の方針を見直す考え方を確認する

出典:ECグロースチャンネル「【撤退?残留?】今後ECモール事業者は究極の選択を迫られることになります【ECコンサル】」(2026年10月6日公開)。本文の場面画像は元動画から引用しています。

まとめ|継続・販路の見直し・撤退を、自社の条件で判断する

EC事業の先行きに不安があるときは、現在の利益、次の打ち手、実行体制を整理しましょう。現在の事業を伸ばす、販路の重点を変える、縮小・撤退を検討するという選択肢を比べ、担当・予算・判断期限まで具体化することが第一歩です。

店舗の課題整理や施策の実行については、WacworksのEC支援サービス一覧をご覧ください。

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株式会社Wacworks

代表取締役社長

舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。