EC業務ツールを購入するかAIを活用して作るかを考えるECグロースチャンネルの動画サムネイル

この記事で分かること

  • EC業務ツールを継続するか、AIを活用して内製するかの判断基準
  • 月額料金と、開発・保守・移行を含めた費用の比べ方
  • 契約の棚卸しから小さな検証、切り替え判断までの進め方

在庫の通知、売上分析、画像作成など、EC運営で使うツールが増えると、月額費用も積み上がります。AIで業務用の仕組みを作る選択肢が気になりつつ、「どの契約を見直せばよいか」「自社で維持できるか」と迷う事業者もいるでしょう。

判断の軸は、必要な機能を満たせるか、総費用はいくらか、誰が保守するか、無理なく移行できるかの4点です。料金の安さだけで決めず、日々の業務を続けられる条件まで比較しましょう。

本記事は、ECグロースチャンネルの2026年10月5日公開動画をもとに、SaaS型のEC業務ツールを見直す考え方を整理します。動画の主張と、編集部が補足した比較表・実行手順を分けて紹介します。情報確認日:2026年10月9日。

執筆者プロフィール

この記事の監修者
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株式会社Wacworks

代表取締役社長

舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。

本記事は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10などのECモール支援を手がける株式会社Wacworksの代表取締役社長 舟瀬 悠が監修しています。また、当サイトのコンテンツは、株式会社Wacworksが定める「コンテンツ制作・編集ポリシー」に基づいて制作しています。

動画が伝えるのは、契約前に「自社で作る選択肢」も考えること

契約する前にAIを使って自社で作れないか考える視点を説明する動画の場面
元動画より。該当場面を見る(2:56〜)

SaaSは、インターネット経由で利用するソフトウェアの提供形態です。動画では、その中でも月額課金で使うEC業務向けのツールを中心に、AIを活用した内製と比較する視点が示されています。

動画のタイトルは強い表現ですが、本編では「闇雲にすべてを解約する話ではない」と補足されています。開発にかける時間を考えると、既存ツールを継続した方がよい場合もあるという説明です。

取り上げられている例は、分析ダッシュボード、在庫のアラート、ランキング獲得時の画像作成、広告の自動化などです。これらは検討対象の例であり、個別サービスの全機能を同じ品質で再現できることを検証した実績ではありません。実際の置き換え可否は、自社で使っている機能と運用条件を確かめて判断します。

最初に、契約しているツールと実際に使う機能を棚卸しする

サービス名と月額料金だけの一覧では、解約したときの影響が分かりません。編集部からの提案は、ツールごとに「どの仕事を、誰が、どれくらいの頻度で行っているか」を記録する方法です。

たとえば多機能な分析ツールでも、毎週使っているのが決まった集計だけなら、その集計を比較対象にできます。一方で、普段意識していない在庫連携やエラー通知が業務を支えている場合もあります。担当者への確認を含め、見えにくい役割まで洗い出しましょう。

棚卸しする項目確認すること
使っている機能日常業務で使う機能と、契約しているが使っていない機能
費用と契約条件月額・従量料金、追加費用、更新日、解約期限、データの持ち出し条件
利用状況と効果利用者、頻度、減らせている作業、エラー防止などの役割
他の仕組みとのつながりモール・受注・在庫・広告など、連携先と停止時の影響
継続運用の担当設定変更、不具合対応、問い合わせを担当する人

一覧を作ったら、「継続」「プランや契約を見直す」「一部機能を内製して試す」「未使用のため解約を検討」に分けます。機能の重複や未使用の契約を整理するだけでも、開発を伴わずに見直せる場合があります。

判断基準1.必要な機能と、連携条件を満たせるか

最初に決めるのは、作りたい画面ではなく、業務を完了するための条件です。売上レポートなら、必要な項目、対象期間、集計方法、更新頻度、確認者を明らかにします。既存ツールの表示を似せるだけでは、業務上の代わりになるとは限りません。

動画ではAPIを使ったデータ取得や操作にも触れています。実装を検討するときは、連携先が提供する機能、利用できる権限、取得できるデータ、呼び出しの制限を公式情報で確認してください。

たとえばAmazonのSelling Partner APIでは、登録・認可の手順、操作やデータへのアクセスを制御するロール、APIのレート制限が案内されています。必要なデータへアクセスできる前提を先に確かめることが大切です。出典:Amazon公式「Onboarding as a Developer」(2026年10月9日確認)。

編集部としては、まず手元の集計データからレポートを作るなど、範囲を限定した試作を勧めます。在庫数の更新や広告予算の変更など、処理が誤った場合に売上・費用へ直接影響するものは、確認と復旧の方法まで含めて検証しましょう。

判断基準2.月額料金と、内製の総費用を比較する

月額5000円なら年間6万円という説明用の例から、開発時間との比較を説明する動画の場面
元動画より。該当場面を見る(6:29〜)

動画では、月額5,000円なら年間6万円という例を挙げ、自社で作る時間を考慮すると既存ツールを残す判断もあると説明しています。これは比較の考え方を示す仮定であり、特定サービスの現行料金ではありません。

編集部が補足する費用の見方は、同じ期間について、利用料と人の作業を合わせて比べることです。AIを使う場合も、要件を決め、出力を確認し、業務に組み込み、修正する時間が必要です。

比較対象初年度の費用として含めるもの
既存ツールを継続基本料金・従量料金・追加オプション・設定や日常確認にかかる人件費
AIを活用して内製設計・開発・テスト・移行の人件費や外注費、AI・API・サーバー等の利用料、保守費
一部を内製して併用残す契約の料金、追加した仕組みの開発・保守費、二重作業や連携確認の負担

費用の計算では、社内の作業も「時間×社内で定めた時間単価」として見積もります。初年度は移行費用がかかるため、翌年度以降の運用費も分けて確認しましょう。使っている料金体系に応じて、利用量が増えた場合の費用も見積もります。

さらに、担当者が開発に時間を使うことで、商品ページ改善や販促の実行が遅れないかも確認します。安く作れることと、事業全体で得になることを分けて評価するのがポイントです。

判断基準3.作った後の保守と改善を、誰が担うか

動画では、現場を理解し、事業を進める意識を持つ人が取り組むこと、必要に応じて外部の開発支援を活用することが語られています。役職だけで選ぶのではなく、何を改善したいかを判断できる担当者が必要です。

内製する場合は、完成時点だけでなく、その後の変更も想定します。データ形式が変わる、処理が途中で止まる、担当者が不在になるといった場面で、誰が何を確認するかを決めましょう。以下は編集部による確認項目です。

保守体制で決めておきたいこと

  • 業務責任者:出力内容や処理結果が正しいかを判断する人
  • 技術面の担当:不具合、接続条件の変更、修正に対応する人
  • 引き継ぎ資料:入力・処理・出力、設定、確認方法をまとめる
  • 異常時の手順:通知先、停止方法、手作業や旧ツールに戻す方法

AIが作った仕組みでも、会社として運用の責任を持つ点は変わりません。維持する担当と予算を確保しづらい場合は、既存サービスのサポートを含めた価値を比較します。

判断基準4.解約前に、移行できることを確かめる

編集部の実践提案は、必要な業務が新しい仕組みで回ることを確認してから、契約を切り替える進め方です。先に解約すると、過去データの取り出しや、不具合が出た際の比較が難しくなる場合があります。利用中サービスの条件を確認し、準備の順番を決めてください。

切り替え前のチェックリスト

  • 必要なデータを、使える形式で保存・移行できる
  • 通常時と例外時の処理結果を、元データや既存ツールと比較した
  • 意図しない更新や重複処理を防ぐ確認方法がある
  • 担当者が不在でも、確認・修正の手順をたどれる
  • 運用費と保守時間が見積もりの範囲に収まる
  • 更新日・解約期限・停止後のデータ利用条件を確認した
  • 切り替え日と、不具合が出た場合に戻す手順を決めた

受注や在庫に関わる業務では、試作中の仕組みが実際のデータを二重更新しないよう、比較する範囲と実行権限を分けます。出力を人が確認する方式から始めると、置き換えの妥当性を判断しやすくなります。

1つの機能から試し、浮いた費用と時間の使い道を決める

最初の見直しでは、「何となく契約が高い」ではなく、1つの機能について比較表を作るところから始めましょう。手順は、①契約と利用状況の棚卸し、②必要条件の整理、③費用と保守負担の比較、④小さな試作と照合、⑤継続・併用・切り替えの判断、です。

動画の後半では、仕組みを作ることに加えて、事業を前へ進める人材への投資が重要だと語られています。見直しによって余力が生まれたら、商品改善、広告の検証、顧客対応など、次に何へ使うかも決めておきましょう。

社内でAIを使う担当や共通ルールを整える際は、EC企業のAI導入を進める5ステップ、業務の具体例を知りたい場合は、EC運営のAI活用法5選も参考になります。

元動画でSaaSの見直しとAI活用の考え方を確認する

出典:ECグロースチャンネル「【急務】SaaSは全部切れ!AI時代にEC事業者が取り組むべきAI活用について解説します【ECコンサル】」(2026年10月5日公開)。本文の場面画像は元動画から引用しています。

ツールの見直しを、EC運営の改善につなげよう

ECのSaaS費用を見直すときは、必要な機能、総費用、保守体制、移行条件をそろえて比較します。継続・内製・併用を選べる状態にし、自社の運営規模や使える時間に合う方法を決めましょう。

店舗の課題整理や実行体制については、WacworksのEC支援サービス一覧をご覧ください。

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株式会社Wacworks

代表取締役社長

舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。