ECモールのセール参加と値下げについて解説するECグロースチャンネルの動画サムネイル

この記事で分かること

  • ECモールでセールに参加するかを、販売目的から判断する考え方
  • 競合の値下げに追随する前に決めたい利益の下限
  • セールへの依存を見直し、通常価格で売るための準備

「セールのたびに値下げをしているのに、利益が残らない」「大きなイベントには参加しても、小さなセールは休みたい」。楽天市場やAmazonなどを運営していると、売上を伸ばすことと値引きを抑えることの間で迷う場面があります。

参加を判断するときは、モールで何を目指すか、値引き後にいくら残すか、通常価格で選ばれる理由があるかを整理しましょう。毎回の割引率を決める前に、この三つを商品ごとに確認することが出発点です。

本記事は、ECグロースチャンネルの2026年10月7日公開動画をもとに、セールとの付き合い方を解説します。動画内の見解と、編集部が補足する判断表・実践手順を区別して紹介します。情報確認日:2026年10月18日。

執筆者プロフィール

この記事の監修者
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株式会社Wacworks

代表取締役社長

舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。

本記事は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10などのECモール支援を手がける株式会社Wacworksの代表取締役社長 舟瀬 悠が監修しています。また、当サイトのコンテンツは、株式会社Wacworksが定める「コンテンツ制作・編集ポリシー」に基づいて制作しています。

セールに参加するかは、モールでの販売目的から考える

動画では、モールで積極的に売上を伸ばしたい企業と、そのモールで買いたい顧客のために購入先を用意する企業の二つを分けています。前者にはセールの活用を強く勧め、後者については、値引きをせず売れる範囲で運営する考え方も示しています。

これは出演者による販売戦略上の見解です。すべての出店者にセール参加が義務付けられている、あるいは参加すれば必ず売上が伸びる、という意味ではありません。自社がどの顧客に、何を届けたいかを先に明確にします。

販売の目的セールの考え方判断前に確認すること
モール内で新しい顧客を増やすセールを集客機会の一つとして計画する値引き後の採算、在庫、次回購入につながる商品体験
特定モールを好む顧客の購入先を用意する通常価格での購入状況を踏まえて参加範囲を決める指名で買われる理由、維持できる売上と運営負担
価格以外の価値でブランドを育てる商品・価格・販促の方針を一貫させる通常価格の納得感、顧客への説明、継続できる集客方法

上表は動画をもとにした編集部の整理です。一つの店舗でも、主力商品と在庫整理の商品では役割が異なります。店舗全体を一律に値下げする前に、どの商品で何を達成したいかを分けてください。

Amazonの公式解説でも、タイムセールを商品認知や販売につなげる機会として紹介し、参加基準を満たすことを設定の前提としています。実施できる施策と条件は、自店舗の管理画面で確認しましょう。出典:Amazon公式「Amazonタイムセールとは?」。

競合の値下げに合わせる前に、残したい利益を決める

値下げに追随し続ける前に商品に付加価値をつけることを説明する場面
元動画より。該当場面を見る(3:15〜)

動画では、見た目や機能が似た商品が並ぶと、価格で比較されやすいという例を挙げています。一方で、多くの企業が競合の最安値を追い続けることには慎重で、付加価値をつけることや、利益を確保するラインを決めることを勧めています。

編集部の提案は、割引率を決める前に「販売価格から何を引くか」をそろえることです。値引き後の売上から、商品原価、送料・配送費、販売手数料、店舗負担のポイントやクーポン、広告費などを確認します。値引き後の売上を使う場合は、値引き額を二重に差し引かないようにします。

商品ごとに決めておく採算の条件

  • 今回の施策で、1注文あたり最低いくら残したいか
  • 値引き・ポイント・クーポンの重複で負担が増えていないか
  • 広告費やセール関連費用まで含めると、期間全体でいくら残るか
  • 販売数量が想定より少なくても、許容できる負担に収まるか

ここで残る金額は、固定費や人件費を引く前の管理指標になる場合があります。事業全体の利益とは区別し、集計期間と税込・税抜の前提を統一してください。自店が許容できる条件を先に決めれば、競合が追加値下げしたときも判断を戻す基準になります。

楽天市場の公式解説でも、値引きによる利益率の低下や、セールの繰り返しによるブランドへの影響に注意を促しています。売上だけでなく、負担と購入後の動きまで確認することが大切です。出典:楽天市場公式「ECセール完全ガイド」。

広告を含めた数字の整理は、EC広告レポートの作り方と利益判断のポイントも参考にしてください。

大きなセールと小さなセールで、参加範囲を分ける

動画の終盤では、大型セールに参加し、合間の小規模なセールを見送る考え方も話題になります。出演者は、競合の動向だけで参加を決めるのではなく、自社の商品をどの方向で売るかを定義したうえで判断する必要があると説明しています。

以下は編集部による判断例です。「小さなセールだから休む」だけで終わらせず、参加する場合と見送る場合の両方について、具体的な条件を整理します。

選択肢向いている状況の例先に決めること
対象商品を選んで参加する獲得したい顧客と商品が明確で、値引き後の採算も見込める対象SKU、価格、在庫、広告予算、確認する指標
参加するイベントを絞る頻繁な値引きや制作・運営の負担を見直したい参加する目的、見送る期間の集客方法、比較する期間
通常価格での販売を試す値引き以外の購入理由を検証したい対象商品、伝える価値、想定する売上変動、見直す日

いずれも成果が保証される選択肢ではありません。対象商品の条件を確認し、売上・利益・作業負担を同じ期間で比べます。イベント期間の販売数が増えても、直前や直後の購入が移動しただけなら、長い期間で見た結果は変わることがあります。

動画には、カテゴリー上位の企業がシェアを守るために価格対応するという見解もあります。ただし、資金力や原価構造が異なる他社と同じ値引きを、自店の採算確認なしに採用することはできません。社内で使える予算と判断期限を決め、販売状況を見ながら見直します。

セールを減らしたいなら、通常価格で買う理由を準備する

値引きを前提にしない販売方針を最初から設計する重要性を説明する場面
元動画より。該当場面を見る(8:38〜)

動画では、割引が繰り返されると、お客様が以前のセール価格を基準に判断する可能性に触れています。そのうえで、最初から値引きに頼らない方針なら、商品づくりと伝え方も含めて設計することが大切だと述べています。

すでにセールを続けている店舗では、値引きを止める操作だけでは通常価格で買う理由は増えません。まずは、価格以外に評価されている点をレビューや問い合わせから整理しましょう。以下は編集部による確認項目です。

確認する価値商品ページで伝えることの例
使う目的への適合どんな場面や悩みに合う商品なのか、具体的な使用例を示す
素材・機能・仕様他の商品と比較するときに判断できる情報と根拠をそろえる
使いやすさ・購入後の安心手入れ方法、対応条件、実際に提供しているサポートを説明する
選びやすさ種類ごとの違い、向いている人、サイズ選びを整理する

「安くない理由」よりも、「この価格で何が得られるか」を説明できる状態を作ることがポイントです。提供していないサポートや、確認していない優位性を付け足すのではなく、商品と顧客の評価に根拠を置きます。

見直し後は、通常価格での注文数、購入率、利益、問い合わせの変化を確認します。広告量や在庫、季節性も記録し、一時的な上下だけで方針を決めないようにしましょう。

次のセール前に、参加方針を1枚にまとめる

担当者ごとに判断が変わらないよう、次のセール前に商品別の方針をまとめます。「何となく毎回参加する」状態から、目的と採算を説明できる状態へ進めるための編集部の実践案です。

セール参加の判断チェックリスト

  • この商品を販売する目的と、今回のセールで達成したいことを一文にした
  • 現行の参加条件・対象商品・必要な費用を管理画面で確認した
  • 値引き後の価格、費用、残したい利益を整理した
  • 在庫と配送・問い合わせ対応に無理がない
  • 参加しない場合に、通常価格で買ってもらう理由と集客方法がある
  • 担当者、確認する数値、方針を見直す日を決めた

セールに参加する商品の選び方と、事業全体を継続するかどうかは、判断する範囲が異なります。販路そのものの役割から整理したい場合は、ECモール事業の継続・販路見直し・撤退の判断ポイントをご覧ください。

元動画でセール参加と価格戦略の考え方を確認する

出典:ECグロースチャンネル「【セール疲れ】ECモールで『セールに出店しない』選択肢ってアリ?EC支援のプロの見解をお話しします【ECコンサル】」(2026年10月7日公開)。場面画像は元動画から引用しています。

まとめ|参加目的・採算・通常価格での価値をそろえて判断する

セールとの付き合い方は、モールでの販売目的と商品ごとの採算から考えましょう。参加商品やイベントを選び、競合の値引きに対応する前に利益の下限を決めます。セールを減らしたい場合は、通常価格で選ばれる理由を商品とページの両方で整えることが必要です。

販路ごとの戦略や店舗運営を相談したい方は、WacworksのECサポートサービスをご覧ください。

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舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。