ChatGPTのdotsをEC運営でどう使う?日々の確認・連絡・分析を任せる方法

この記事で分かること
- ChatGPTのdotsで、EC担当者の日々の確認業務をどう見直せるか
- 未返信の確認・返信案作成・売上報告に任せる範囲の例
- 利用条件、アプリ連携、定期実行を始めるときの確認事項
メールやチャットを確認し、対応待ちを整理し、売上データを集める。EC運営では、改善策を考える前の準備だけで時間が過ぎてしまうことがあります。こうした継続業務をAIに任せる選択肢として、ECグロースチャンネルで紹介されたのがChatGPTの「dots」です。
最初に任せるのは、「毎日何を確認し、どんな状態になったら報告するか」が明確な仕事から。いきなり店舗全体の運営を任せるよりも、未返信の一覧や売上の変化をまとめる仕事で、使い勝手を確かめると進めやすくなります。
本記事は2026年10月24日公開の動画をもとに、dotsをEC運営へ取り入れる考え方を整理します。動画内の使用感と、公式ドキュメントで確認した仕様、編集部が作成した依頼例を分けて紹介します。公式情報の確認日:2026年10月28日。
本記事は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10などのECモール支援を手がける株式会社Wacworksの代表取締役社長 舟瀬 悠が監修しています。また、当サイトのコンテンツは、株式会社Wacworksが定める「コンテンツ制作・編集ポリシー」に基づいて制作しています。
目次
ChatGPTのdotsとは? 継続する仕事を任せるAIエージェント
OpenAIの公式ガイドでは、dotは会話の合間にも継続して仕事を進めるエージェントとして説明されています。専用のクラウド上のコンピューターとブラウザを持ち、接続を許可したアプリや共有した情報を使って調査・分析・資料作成などを進めます。
動画では、舟瀬がSlackの連絡を見て対応案を考えることや、メールの下書き、ECの売上データをまとめる用途を挙げています。ただし、撮影時点で使い始めて数日という前提も語られています。動画の使用感を、すべての店舗で同じ動作が再現できる保証として受け取らないことが大切です。
EC担当者にとっての検討ポイントは、個々の質問への回答に加えて、「継続して追ってほしい仕事」を具体的に渡せるかどうかです。たとえば「売上を分析して」だけでなく、対象店舗、データの保存場所、比較期間、報告先まで決めると、確認すべき成果物も明確になります。
動画で紹介された3つの使い方をEC業務に置き換える

動画の2分40秒台から3分台前半では、連絡内容の確認、返信候補の作成、売上情報の整理・要因分析が紹介されています。次の表は、その話をもとにした編集部の業務設計例です。各モールとの標準連携や、作業の成功を保証するものではありません。
| 対象業務 | 最初に任せる成果物 | 担当者が確認すること |
|---|---|---|
| 未返信・対応待ちの確認 | 対象チャンネルから、要対応の連絡と期限を一覧化 | 対応済みを含めていないか、担当者・期限の解釈が正しいか |
| 返信の準備 | 依頼内容と過去のやり取りに沿った返信案を作る | 宛先、約束する内容、価格・納期などの条件 |
| 売上報告の準備 | 共有したデータの集計と変化の大きい商品を整理 | 期間・集計条件・元データとの一致、原因が推測になっていないか |
未返信の確認は、対象を狭く決める
「全部見ておいて」では、どの連絡を重要とするかが曖昧になります。編集部の提案としては、店舗運営に使う特定のチャンネルや案件を対象にし、対応待ちと判断する条件を渡すところから始めます。「担当者が決まっていない」「回答期限が今日まで」など、一覧を見た人が動ける形にしましょう。
返信案は、送る前に必要な判断を残す
動画で触れられたメールの下書きは、連絡業務の準備を減らす使い方です。たとえば取引先への回答で、在庫や納期が未確認なら、その部分を空欄や確認事項として残すよう依頼します。AIが自然な文章を作れたことと、約束する内容が正しいことは分けて確認します。
売上分析は、集計から始めて仮説へ進む
動画では、RMSの情報をもとにCSVを集め、表にまとめて要因分析する例が語られています。これは出演者が紹介する利用例です。この記事では、RMSとの公式な標準連携や、どの環境でも自動取得できることを確認したものとしては扱いません。まず、店舗側で利用を認めたデータを共有し、集計結果を照合できる範囲から始めましょう。
比較期間をそろえて売上・アクセス・転換率などをまとめたうえで、価格変更、在庫切れ、広告、セールの有無を確認します。データだけで原因を確定できない場合は、「確認できた変化」と「追加確認が必要な仮説」を分けて出してもらうと、次の判断につなげやすくなります。
始める前に確認したい利用条件と接続の違い
利用対象や上限は変わるため、契約前・導入時には公式の利用条件を確認してください。確認時点では対象プラン・地域・ワークスペース条件があり、段階的に提供されています。動画中の「トークンを消費しない」という使用感を、「すべての作業が無制限」という意味で判断するのは避けましょう。公式説明では、dotとの会話と、dotが開始・管理するWorkやCodexのタスクの利用枠は区別されています。
公式の初期設定ガイドでは、アプリの接続、連絡用チャネルの接続、自分のコンピューターの接続は別々に扱われています。Slackでdotに話しかけられるようにしただけで、すべてのメールや店舗データを参照できるわけではありません。必要な情報源と操作権限を確認しましょう。
また、クラウド上の作業と、自分のパソコンで行う作業は稼働条件が異なります。自分のパソコンを使わせる場合は、その端末がオンラインでChatGPTアプリが開いている必要があります。毎朝の確認を任せるなら、データがどこにあり、どの環境で処理するかも先に決めておきます。
まずは1週間、毎朝の確認業務を1つ任せる
以下は編集部が作成した試行手順です。動画でも、役割によって便利さが異なることや、実際の効率・精度を確かめる考え方が語られています。導入前から削減時間を決めつけず、自分たちの業務で比較することをおすすめします。
1.対象・期間・成果物を決める
最初は「指定チャンネルの未対応連絡を、毎朝一覧にする」など1つに絞ります。担当者、参照する情報、報告する時刻と場所、試す期間を決めます。連携できることだけでなく、出力が実務で使えるかを評価対象にします。
2.依頼文に、判断が必要になる条件を書く
依頼文の例:店舗運営の連絡チェック(編集部作成)
- 来週の平日5日間、日本時間9時に、指定した店舗運営チャンネルの連絡を確認してください。対象期間は前回確認後から今回確認時までです。
- 未対応と思われる依頼、回答期限、担当者、元のメッセージへのリンクを一覧にしてください。対応状況が不明なものは「要確認」としてください。
- 返信が必要なものは下書きまで作り、送信は担当者が確認してから行います。取引条件や納期を新たに約束しないでください。
- 期限超過のおそれがあるものは報告してください。変化がない場合の通知方法も決め、設定した時刻・対象・終了日を確認してください。
この例は固定の製品機能ではなく、店舗に合わせて調整する依頼文です。公式ガイドも、定刻の実行を頼む際はタイムゾーンと期間を伝え、設定内容を確認する方法を案内しています。
3.初回の結果を元データと照合する
抜け漏れ、重複、期限の取り違えを確認し、修正点を具体的に返します。毎回同じ連絡が出てくるなら、完了の判定や前回確認時点の記録を見直します。ログイン切れやデータ未更新で取得できなかった場合も、「問題なし」と混同しない報告にしておきましょう。
4.削減時間と確認の手間を一緒に見る
| 評価項目 | 記録例 |
|---|---|
| 担当者の作業時間 | 従来の確認時間/AIの結果を確認・修正した時間 |
| 抜け漏れと誤判定 | 見落とした依頼、対応済みなのに挙がった連絡の件数 |
| 報告の使いやすさ | 担当者・期限・元情報のリンクがそろっているか |
| 継続できる条件 | データ更新、ログイン、確認担当者が維持できるか |
上の表も編集部の評価例です。確認にかかる時間が増えるなら、対象範囲や出力形式を見直します。1つの業務で使い方が定まってから、売上報告や資料更新へ広げると、改善点を把握しやすくなります。
自動で進める範囲と、担当者が判断する範囲を決める

動画の4分40秒台以降では、自律的に進む便利さと、意図しない方向に作業が進む懸念の両方が話題になっています。店舗運営では、情報を整理する仕事と、顧客や取引先に影響する変更を区別して任せることが重要です。
OpenAIの制御・承認に関する公式ガイドでは、アカウントに影響する操作や情報共有の前に、指示・権限・ルールなどに基づく確認が行われると説明されています。下書き作成の依頼だけで送信の許可になるわけではありません。カスタムルールも、アプリへのアクセス権を新しく与えたり、組み込みの安全要件を無効にしたりするものではありません。
「何をしてほしいか」に加えて、「どこまで任せ、どの判断を戻してほしいか」を伝えましょう。価格変更、広告予算の増額、顧客への約束などは、店舗で決めた担当者と確認手順に沿って扱います。
試行開始前のチェックリスト
- 参照する店舗・チャンネル・ファイルを限定したか
- 必要なアプリ接続と権限を確認したか
- 時刻・タイムゾーン・終了日・報告先を決めたか
- 送信や変更の前に確認する担当者を決めたか
- 取得失敗と「異常なし」を区別して報告できるか
- 停止するときに、実行中の仕事と定期実行の両方を確認できるか
公式ガイドでは、dotの一時停止、別途実行中のタスクの停止、予定された実行の解除は扱いが異なります。運用を終えるときはActivityとScheduledも確認してください。分析や自動操作を確認する考え方は、ECのAI活用で注意したいリスクの解説でも紹介しています。
元動画で、dotsの使用感を確認する
出典:ECグロースチャンネル「【EC×AI】今すぐ使え!ChatGPTの新AIエージェント『dots』使ってますか?【ECコンサル】」(2026年10月24日公開)。画像は本編の該当箇所から引用しています。個人の使用感や他ツールとの比較意見は、一般的な性能評価として扱っていません。
まとめ|日々の確認を減らし、店舗の判断に時間を使う
dotsをEC運営に取り入れるなら、未返信の確認、返信案の準備、売上報告など、継続して確認したい仕事を1つ選びましょう。必要な情報と権限を整え、成果物を確認しながら任せる範囲を広げることが、実務で使える運用につながります。
社内全体で導入を進める場合は、EC企業のAI導入を進める5ステップも参考にしてください。ツールの導入に加えて、商品ページ・集客・運用体制の改善を進めたい方には、WacworksのEC支援サービスをご案内しています。
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