【EC事業者向け】Amazonプライムビデオ広告とは?仕組みとフォーマットを徹底解説

2025年4月、Amazonプライムビデオに広告配信が導入され、EC事業者にとって新たな集客チャネルが誕生しました。本記事では、Amazonプライムビデオ広告の仕組み・フォーマット・費用対効果・出稿の流れを、Amazon出品者の視点で徹底解説します。
目次
Amazonプライムビデオ広告とは何か
Amazonプライムビデオ広告(Prime Video Ads)とは、動画配信サービス「Amazonプライムビデオ」の視聴中に配信される、スキップ不可の動画広告です。2025年4月8日より日本で正式に提供が開始され、通常会員(月額600円)向けコンテンツに広告が挿入されるようになりました。
EC事業者にとってこの変化が意味するのは、「Amazonの購買データ」と「高関与な動画視聴」が交わる場所に広告を打てる機会が生まれたということです。これまでスポンサー広告は検索・閲覧中のユーザーにしかアプローチできませんでしたが、Prime Video広告を使えば映像コンテンツを楽しんでいる潜在顧客層にも自社商品を届けられるようになりました。なお、広告なしで視聴したい場合は、プライム会費に月額390円を追加する「広告フリープラン」が用意されています。
Amazonプライムビデオ広告がEC事業者に注目される理由
Prime Video広告がEC事業者にとって魅力的な理由は、視聴者がそのままAmazonの購買層と重なっている点です。他のSVOD(定額制動画配信)広告と異なり、「視聴データ+購買データ」を組み合わせたターゲティングで、自社商品に関心を持ちやすいユーザーに絞り込んで配信できます。
主な特徴を以下に整理します。
- 日本のPrime Video視聴者の93%[が毎月Amazon.co.jp](http://が毎月Amazon.co.jp)で購買している(Amazon内部データ、2023年8月〜2024年8月)
- 非Prime Video視聴者と比較して、広告商品を購入する傾向が33%高い
- 既知ブランドに対して22%高い支払い意欲を示している
- 美容・ファッション・自動車・旅行などプレミアムカテゴリーでの購買が活発
- 検索履歴・購買履歴・閲覧履歴をもとにした精度の高いセグメント配信が可能
つまり、Prime Video広告を見ているユーザーは「Amazonで買い物をすることに慣れた層」です。スポンサー広告では接触できなかった潜在層に先に商品を認知させておき、検索・購買の場面でスポンサー広告が刺さりやすくなる——そのフルファネル設計がEC事業者にとっての最大のメリットです。
Amazonプライムビデオ広告の仕組みと配信タイミング
Prime Video広告は、Amazon DSP(Demand-Side Platform)を通じて配信される動画広告です。購買履歴・閲覧行動・デモグラフィックなど多様な軸でオーディエンスをセグメントし、狙ったユーザー層へピンポイントでリーチできます。
基本的な仕様は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信タイミング | プレロール(再生前)・ミッドロール(再生中) |
| 広告尺 | 15秒・30秒 |
| スキップ | 不可 |
| 配信頻度 | 1時間あたり2〜3.5分程度(テレビCMより少ない) |
| 配信対象コンテンツ | Amazonオリジナル作品・Prime対象ライセンス作品 |
| 除外プロフィール | Kidsプロフィールは広告非表示 |
| 配信インフラ | Amazon DSP |
| 効果測定 | Amazon Marketing Cloud(AMC)との連携が可能 |
Amazonプライムビデオ広告のフォーマット種類
Prime Video広告のフォーマットは、既存の動画・ディスプレイ枠に加え、2025〜2026年にかけてインタラクティブな新フォーマット3種類が順次追加されます。各フォーマットは「動画再生中」「一時停止中」「再生開始時」の3場面に対応しています。
新フォーマットの詳細は、WacworksのECグロースチャンネルでもわかりやすく解説しています。あわせてご参考ください。
動画広告(プレロール・ミッドロール)
現在すでに配信されている主流フォーマットで、認知から購買まで幅広い目的で活用できます。Amazon DSPを通じて購買データに基づくセグメント(ファッション好き・ペット愛好家・自動車ファンなど)へのターゲティングが可能です。
Feature Rotator・スポンサータイル・スポンサーチャンネル
プライムビデオのUI画面に表示されるディスプレイ広告枠で、コンテンツを探しているタイミングでブランド・商品認知を取りにいく用途に向いています。各枠の特徴は以下のとおりです。
| フォーマット | 表示場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| Feature Rotator | 画面上部(アバブザフォールド) | カルーセル型・最も注目を集める最上位枠 |
| スポンサータイル | 1行内 | ハイライト時にミニ詳細ページが展開 |
| スポンサーチャンネル | 「登録」行 | チャンネル登録の促進に特化 |
インタラクティブ動画広告(2026年上半期導入予定)
動画再生中にリモコン操作やQRコード読み取りでAmazonカートへ直接追加できる、「ながら買い物」を実現するフォーマットです。[Amazon.co.jp](http://Amazon.co.jp)で商品を出品しているEC事業者にとっては、広告視聴からそのまま購買につなげられる点が大きな魅力です。旅行・保険・自動車など資料請求や問い合わせへの導線が必要な業種でも活用できます。
※最新情報はAmazon Ads公式サイトをご確認ください。
インタラクティブポーズ広告(2026年上半期導入予定)
一時停止のタイミングを活用し、視聴の流れを妨げずにブランドメッセージを届けられるフォーマットです。ハリウッド映画など高品質なコンテンツの視聴中に表示されるため、広告クリエイティブの品質がブランドイメージに直結する点は留意が必要です。
※最新情報はAmazon Ads公式サイトをご確認ください。
FITO(ファーストインプレッションテイクオーバー)
その日最初に再生したコンテンツの冒頭を広告主が独占できる、視聴開始という最も集中度の高いタイミングを押さえるフォーマットです。TikTokのアプリ起動時広告に近いイメージで、幅広い視聴者層へのリーチとブランド認知の定着が期待できます。
※2025年内にベータ版提供予定。最新情報はAmazon Ads公式サイトをご確認ください。
Amazonプライムビデオ広告はどのようなEC事業者に向いているか
Prime Video広告は「Amazonで売上をもっと伸ばしたい」と考えるEC事業者向けの施策ですが、現時点では向き・不向きがあります。出稿前に自社の状況と照らし合わせて確認してください。
| 向いているEC事業者 | 慎重な判断が必要なEC事業者 | |
|---|---|---|
| Amazon内の状況 | スポンサー広告を運用中・売上が頭打ちになっている | スポンサー広告をまだ始めていない・最適化できていない |
| 広告予算 | 月間広告費が数百万円規模 | 月間広告費が数十万円未満 |
| 商材カテゴリー | 美容・ファッション・食品・日用品など購買サイクルがある商材 | 超低価格帯・衝動買い主体の商材 |
| 目的 | 新規顧客の獲得・ブランド認知の拡大 | 既存顧客へのリピート促進のみ |
| フェーズ | Amazon内での認知が弱く、検索されていない状態 | すでに検索流入が十分にある状態 |
予算感の目安として、Amazon DSP単体で月間100万円以上、スポンサー広告との組み合わせで効果を最大化するには月間300〜400万円以上が実務上の基準です。Prime Video広告はその上に位置する施策であるため、スポンサー広告の運用が安定してから導入を検討するのが現実的です。
ただし、競合他社や大手ブランドがPrime Video広告を本格活用し始めると、同じカテゴリーの競争環境が変わります。「今は関係ない」と思っていても、競合に先に認知を取られると後から追いつくのが難しくなります。今から仕組みを理解し、準備だけでも進めておくことが重要です。
Amazonプライムビデオ広告とスポンサーTV広告の違い
Prime Video広告と混同されやすいのが「スポンサーTV広告」です。EC事業者が使うAmazon広告として両方が話題に上がることがありますが、配信面と目的が明確に異なります。
| Prime Video広告 | スポンサーTV広告 | |
|---|---|---|
| 配信面 | プライムビデオのコンテンツ視聴中 | Fire TVなどコネクテッドTV(CTV) |
| 主な目的 | ブランド認知・フルファネル上流 | Amazon ECサイト上での商品露出強化 |
| 向いているKPI | ブランドリフト・新規顧客獲得率・VCR | 商品認知・直接販売促進 |
「新規顧客に自社商品を知ってもらいたい・ブランドを認知させたい」ならPrime Video広告、「AmazonでのROAS・直接販売を伸ばしたい」ならスポンサーTV広告が適しています。効果を最大化するには、両者を組み合わせたフルファネル設計が理想的です。
Amazonプライムビデオ広告の出稿手順
Prime Video広告の出稿は、Amazon Adsの管理画面から行います。クリエイティブ品質がブランドイメージに直結するため、出稿設定と並行して動画制作の準備を早めに進めることが重要です。
基本的な出稿フローは以下のとおりです。
- Amazon Adsの在庫ハブにアクセスし、「Prime Video」のセールを検索
- ターゲットセールに追加し、新規注文を作成
- キャンペーン目標(「認知」または「動画再生完了率(VCR)」)を選択
- 目的に応じたKPIを設定
- Amazonの規定するフォーマット・動画要件を満たしたクリエイティブを入稿
クリエイティブに関する注意点が2つあります。1つ目は品質基準です。スポンサー広告の動画と異なり、Prime Video広告は映画やドラマの直前・途中に流れます。白背景のサムネイルに囲まれる検索画面とは異なり、テレビCMに匹敵するクリエイティブ品質が求められます。2つ目は審査基準です。誇大表現・不適切なコンテンツ・公序良俗に反する要素を含む広告は審査で否認されます。事前にAmazonのクリエイティブ承認ガイドラインをご確認ください。
詳細な出稿要件や最新の仕様については、Amazon Ads公式サイトをご参照ください。
Amazonプライムビデオ広告の費用対効果
Prime Video広告は「スポンサー広告と組み合わせることでAmazon全体の売上効率が上がる」施策です。単体で即時購買を狙う広告ではなく、まだ自社商品を知らない潜在顧客に認知させ、その後のスポンサー広告・購買行動につなげるという上流の役割を担います。
Amazonが公表している効果指標は以下のとおりです(Amazon内部データ)。
| 指標 | 数値 | 条件 |
|---|---|---|
| 新規顧客獲得率 | +230% | 複数の動画広告組み合わせ時(2025年4〜7月、日本) |
| ブランドリフト | +182% | 同上 |
| 購入率 | +176% | 同上 |
| CVR(スポンサー広告単体比) | +933% | Prime Video広告+DSP併用時(2025年4〜5月、日本) |
スポンサー広告との組み合わせによるCVR+933%は、フルファネル設計がEC事業者の売上に直結することを端的に示しています。スポンサー広告のみで比較検討・購買層を追いかけるだけでなく、Prime Video広告で潜在層への認知を先に積み上げることで、モール全体の転換率が向上するメカニズムです。
一方で、日本国内での実績データはまだ蓄積段階にあります。公表数値は参考指標として捉えつつ、自社カテゴリーや予算規模に合わせた慎重な見積もりが必要です。「Instagram広告やTikTok広告でAmazon外に集客している」というEC事業者にとっては、Amazon内で完結する新たな集客手段として検討する価値があります。
費用対効果の考え方や現場コンサルタントとしての所感は、WacworksのECグロースチャンネルでも詳しく解説しています。
Amazonプライムビデオ広告に関するよくある質問

ここからは、Amazonプライムビデオ広告に関するよくある質問に回答していきます。
スポンサー広告をまだ始めたばかりですが、Prime Video広告も出稿できますか?
仕組み上は出稿できますが、スポンサー広告の運用が安定していない段階では効果を最大化しにくいです。Prime Video広告は「認知させた潜在客をスポンサー広告で刈り取る」フルファネル設計が前提のため、まずスポンサー広告を最適化してから導入を検討することをおすすめします。
どのくらいの広告予算があれば取り組めますか?
Amazon DSP単体で月間100万円以上、スポンサー広告との組み合わせで最大化するには月間300〜400万円以上が実務上の目安です。Prime Video広告はその上に乗る施策のため、現時点では一定の規模感が必要です。詳しい予算設計はWacworksへご相談ください。
動画クリエイティブはどのくらいの品質が必要ですか?
テレビCMに匹敵するクオリティが求められます。スポンサー広告の動画と異なり、映画やドラマの直前・途中に流れるため、素人感のある映像はブランドイメージの毀損につながります。Amazonのクリエイティブ承認ガイドラインへの準拠も必須です。
どのようなカテゴリーの商品に向いていますか?
美容・ファッション・食品・日用品など購買サイクルがある商材との相性が良いです。Prime Video視聴者はこれらのカテゴリーでの購買が活発で、ブランドへの支払い意欲も高い傾向があります。
広告はスキップできますか?
できません。現行の動画広告(プレロール・ミッドロール)はスキップ不可の仕様です。視聴者が最後まで広告を見る前提で設計されているため、冒頭数秒で商品の魅力を伝えるクリエイティブ設計が重要です。
効果測定はどうすればよいですか?
Amazon Marketing Cloud(AMC)を活用することで、Prime Video広告とスポンサー広告をまたいだ詳細な効果測定とPDCAが可能です。キャンペーン目標として「認知」や「動画再生完了率(VCR)」を設定し、目的に応じたKPIで評価します。
競合が出稿していたら自社も対応が必要ですか?
同じカテゴリーで競合がPrime Video広告を使い始めると、潜在客の認知段階から差がついてしまいます。スポンサー広告の戦場に来る前に競合ブランドを知られてしまうため、競合動向の把握と早めの準備が重要です。
WacworksのAmazon広告運用代行でPrime Video広告の効果を最大化する
Prime Video広告は「出稿して終わり」ではありません。ターゲティング設計・クリエイティブ最適化・AMCを活用した効果測定・スポンサー広告との組み合わせPDCAまで、運用の精度が売上に直結します。
WacworksはAmazonをはじめとするECモールの広告運用代行・コンサルティングを手がけるプロフェッショナル集団です。DSP配信の設定から戦略立案・継続的な最適化まで一気通貫でサポートします。「DSPは聞いたことはあるが、実際に動かしたことはない」というEC事業者も、まずはお気軽にご相談ください。
実際の支援事例として、Amazonでサプリメントを販売する店舗では、LTV視点の広告運用と徹底したABテストにより、月商700万円から2,100万円へと売上を3倍に伸長させた実績があります。
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Amazonプライムビデオ広告のまとめ
本記事のポイントを整理します。
- Amazonプライムビデオ広告は2025年4月8日に日本でスタートし、Prime Video視聴者の93%がAmazonで毎月購買するという購買力の高いオーディエンスにリーチできます
- スポンサー広告が「比較検討・購買」層を狙うのに対し、Prime Video広告は「認知・興味関心」の上流を担い、両者を組み合わせたフルファネル設計がEC事業者の売上最大化につながります
- フォーマットは既存の動画・ディスプレイ枠に加え、インタラクティブ動画広告・インタラクティブポーズ広告・FITOの3種類が2025〜2026年に順次追加予定です
- 現時点では一定の広告予算が必要ですが、競合の参入でカテゴリーの競争環境が変わるため、今から仕組みを理解して準備しておくことが先行優位につながります
競合が動き出す前に情報収集と準備を始めることが、Amazon内での優位性を守ることにつながります。Prime Video広告やDSPの活用について相談したいEC事業者は、WacworksのAmazon広告運用代行サービスへお気軽にお問い合わせください。
