広告レポートを見て、「数字は分かるが、次に何をすればいいか分からない」と感じたことはないでしょうか。

ECサイトでは、売上やCV数だけを見て広告を評価すると、知らないうちに利益を削ってしまうケースが少なくありません。

本記事では、一般的な広告レポートがECでは使いにくい理由を整理したうえで、利益判断と改善につながるEC広告レポートの考え方・構成・見方を解説します。

広告を「成果報告」で終わらせず、「続ける・止める・テストする」を判断できる資料に変えたい方は、ぜひ参考にしてください。

EC広告レポートを成果報告で終わらせていませんか?本記事では、一般的な広告レポートがECで使いにくい理由と、利益判断・改善につながる広告レポートの作り方と見方を解説します。

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執筆者プロフィール

この記事の監修者
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株式会社Wacworks

代表取締役社長

舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。

目次

ECサイトにおける広告レポートの役割

ECサイトにおける広告レポートは「結果を伝える資料」ではありません。本来の役割は、広告が事業にとって正しい状態かを判断し、次の行動を決めるための材料になることです。

広告レポートは成果報告ではない

広告レポートを成果報告として扱うと、判断を誤りやすくなります。売上やCV数が増えていても、それが良い広告とは限らないためです。成果報告型レポートにありがちな特徴は次のとおりです。

  • 数字を並べて終わっている
  • 良し悪しの結論が書かれていない

この状態では、広告を続けるべきか止めるべきかが分かりません。広告レポートは「説明するため」ではなく、「決めるため」に使う必要があります。

ECでは「利益判断のための資料」になる

ECにおいて広告レポートは、利益が残っているかを判断するための資料になります。売上が出ていても、広告費がかかりすぎていれば事業としては危険です。

ECの広告レポートで判断すべき視点は次のとおりです。

  • 広告費に対して利益が出ているか
  • 商品ごとに収支が合っているか

これらを確認することで、伸ばす広告と止める広告を切り分けられます。ECでは、広告レポートがそのまま経営判断につながる点が大きな特徴です。

なぜ一般的な広告レポートはECでは使いにくいのか

一般的な広告レポートは「広告の成果」は分かっても、「ECとして正しいか」は判断しにくい構成になっています。
そのため、数字を見ても次の一手が決まりません。

クリックやCV中心の評価

一般的な広告レポートは、クリック数やCV数を中心に評価されがちです。
しかしECでは、その評価軸だけでは不十分です。

よくある評価項目は次のとおりです。

  • クリック数
  • CV数
  • CTR

これらは広告の反応を見る指標としては有効です。ただし、売上や利益と結びつけて見なければ、事業として良い広告かどうかは判断できません。

売上と利益が分離されている

ECで使いにくい理由の一つが、売上と利益が切り離されている点です。売上が伸びているだけで、安心してしまうケースが多く見られます。例えば、以下の状態では、実際に利益が残っているか分かりません。

  • 売上は増えている
  • しかし広告費も同時に増えている

ECの広告レポートでは、売上と広告費を必ず同じ画面で確認する必要があります。

商品単位で見られていない

一般的な広告レポートは、全体数値でまとめられていることが多いです。ECでは、この見方が判断ミスにつながります。

商品単位で見ないと、以下が混ざって見えなくなります。

  • 儲かっている商品
  • 赤字になっている商品

汎用レポートとの最大の違いはここです。ECでは、商品ごとに広告の良し悪しを判断できる構成が求められます。

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ECの広告レポートを作る前に決めるべき目的

ECの広告レポートは目的を決めないまま作ると、必ず形だけの資料になります。最初に「このレポートで何を判断したいのか」を明確にする必要があります。

売上を伸ばしたいのか

売上を伸ばすことが目的の場合、広告レポートは成長余地を見つけるための資料になります。単に売上合計を見るだけでは意味がありません。確認すべきポイントは次のとおりです。

  • 売上が伸びている商品
  • 伸びが止まっている商品

これにより、広告費を追加すべき商品が見えてきます。売上目的のレポートでは「どこを強化するか」を判断できる構成が重要です。

無駄な広告費を減らしたいのか

広告費の最適化が目的の場合、見るべき視点は変わります。売上よりも、費用対効果の悪い部分を探すことが優先です。

例えば、

  • 売上はあるが利益が残らない広告
  • CPAが高止まりしている広告

こうした部分を洗い出すことで、無駄な支出を減らせます。
ECでは、広告費を抑える判断も重要な成果です。

商品の入れ替え判断をしたいのか

商品入れ替えを目的にする場合、広告レポートは選別の材料になります。全商品を同じ基準で見ると、判断を誤ります。

見るべきポイントは以下の通りです。

  • 広告をかけても伸びない商品
  • 少額でも安定して利益が出る商品

これらを比較することで、注力商品を決めやすくなります。ECの広告レポートは、商品戦略にも直結する資料です。

ECの広告レポートで設定すべきKPI

ECの広告レポートのKPIは「広告の成果」ではなく「事業として成立しているか」を判断できる指標に絞る必要があります。一般的な広告KPIをそのまま使うと、ECでは判断を誤ります。

売上

売上はECの広告レポートの基本指標ですが、単独では判断材料になりません。売上が伸びていても、広告費が過剰であれば意味がないためです。

売上を見るときは、以下を合わせて確認しましょう。

  • 前月や前年との比較
  • 商品別の売上構成

 これにより、成長している商品と停滞している商品が見えてきます。

広告費

広告費は、必ず売上とセットで確認すべき指標です。広告費だけを見ても、高いか安いかは判断できません。

広告費は、以下を確認しましょう。

  • 売上に対して広告費が増えていないか
  • 広告費の増減に理由があるか

ECの広告レポートでは、広告費の変化を放置しない姿勢が求められます。

CPA

CPAは、1件の購入を獲得するためにかかった費用を示します。ECでは、CPAが利益を超えていないかが重要です。

例えば、以下を比較すると、改善すべき広告が明確になります。

  • CPAが高い商品
  • CPAが安定している商品

 CPAは「良し悪し」を判断するための基準として使います。

ROAS

ROASは、広告費に対してどれだけ売上が出たかを見る指標です。EC広告では、よく使われる重要な指標です。

ただし、ROASが高いだけで安心するのは危険です。利益率が低い商品では、ROASが高くても赤字になる場合があります。ROASはあくまで判断材料の一つとして扱います。

利益(または粗利ベース)

結論として、ECの広告レポートで最も重要なのは利益です。売上やROASが良くても、利益が残らなければ広告は成功と言えません。

利益を見ることで、本当に伸ばすべき広告と止めるべき広告がはっきりします。ECの広告レポートは、最終的に利益判断ができる形でまとめることが重要です。

ECの広告レポートに必ず入れるべき項目

ECの広告レポートは情報量を増やすほど良くなるわけではありません。
判断に必要な項目だけを整理して載せることが重要です。

全体サマリー

全体サマリーは、レポートを開いて最初に確認する部分です。ここで「今月の広告は良かったのか、悪かったのか」が分かる必要があります。

入れるべき要素は、

  • 広告費
  • 売上
  • 利益の増減

この3点をまとめることで、全体像を短時間で把握できます。細かい数字を見る前の判断材料として機能します。

媒体別成果

媒体別成果では、広告媒体ごとの役割を確認します。ECでは、媒体によって目的が異なるためです。

主に見るポイントは、以下の通りです。

  • 媒体ごとの広告費
  • 媒体ごとの売上やCPA

これにより、伸ばすべき媒体と見直すべき媒体が明確になります。

全体数値だけでは見えない差がここで分かります。

商品別成果

ECの広告レポートで最も重要な項目が商品別成果です。商品単位で見なければ、正しい判断はできません。

確認したい内容は、以下です。

  • 商品ごとの売上
  • 商品ごとの広告費

これを比較することで、利益を生んでいる商品が見えてきます。ECでは、広告判断と商品戦略が直結します。

改善ポイント

改善ポイントは、レポートの結論部分です。数字を見てどう動くかを明確にします。

例えば、以下を具体的に書き出します。

  • 広告費を増やす施策
  • 停止する施策

 改善案が明確であれば、広告レポートは実務で使える資料になります。

ECの広告レポートのつくり方と基本構成

ECの広告レポートは「どう作るか」よりも「どう並べるか」で使いやすさが決まります。判断しやすい流れを意識して構成することが重要です。

全体 → 媒体 → 商品

ECの広告レポートは、必ず全体から確認できる構成にします。いきなり商品別を見ると、全体像を見失いやすくなるためです。

基本の並びは次のとおりです。

  • 全体の広告費と売上
  • 媒体別の成果
  • 商品別の成果

この順番にすることで、「全体はどうか」「どの媒体が影響しているか」「どの商品が原因か」を自然に追える構成になります。

数字 → 変化 → 理由

数字を並べるだけでは、ECの広告レポートとして不十分です。必ず変化と理由をセットで整理します。

以下の流れでまとめましょう。

  • 数字の結果
  • 前月や前週からの変化
  • 変化が起きた理由

理由まで書くことで、次に取るべき行動が明確になり、レポートが判断材料として機能します。

ECの広告レポートで行うべき分析視点

ECの広告レポートの分析は「数字を見ること」ではなく「数字をどう解釈するか」が重要です。単純な比較だけでは、正しい改善判断につながりません。

前月比だけで終わらせない

前月比は便利な指標ですが、それだけで判断すると危険です。数字が動いた背景を見ないと、誤った結論を出してしまいます。

例えば、以下のケースでは、単純な増減だけでは良し悪しを判断できません。

  • 売上が伸びたが広告費も増えている
  • CPAは改善したが売上が落ちている

前月比はあくまで入口として使います。

セール・在庫・価格変更の影響を見る

EC広告では、広告以外の要因が数字に大きく影響します。これを考慮せずに分析すると、判断を誤ります。

特に確認したい要素は以下です。

  • セールやキャンペーンの有無
  • 在庫切れや在庫過多
  • 価格変更のタイミング

これらを踏まえることで、広告自体の良し悪しが見えてきます。EC特有の視点として欠かせません。

数字の変化に理由をつける

ECの広告レポートでは、数字の変化に必ず理由をつけます。理由が書けない数字は、判断材料になりません。

理由付けを行うことで、続ける施策と修正する施策が明確になります。分析とは、数字に意味を与える作業だと考えると分かりやすくなります。

ECの広告レポートでよくある失敗例

ECの広告レポートが失敗する原因は「数字はあるが、判断できない」状態になっていることです。以下では、EC現場で実際に起こりやすい例を挙げて説明します。

指標が多すぎる

指標を詰め込みすぎると、重要な数字が分からなくなります。特にECでは、この失敗が頻発します。

指標が多すぎる例
  • 表示回数、CTR、クリック数、CVR、CV数、CPA、ROASがすべて並んでいる
  • どの指標を見て判断すればいいか書かれていない

この状態では、 「結局この広告は良いのか、悪いのか?」 が判断できません。ECの広告レポートでは、利益判断に必要な指標だけに絞ることが重要です。

良し悪しの判断基準がない

数字は載っているのに、評価が書かれていないレポートもよく見られます。
これでは、見る人によって結論が変わってしまいます。

良し悪しの判断基準がない例
  • CPA:5,000円
  • ROAS:350%

一見すると問題なさそうですが、

  • 商品の粗利が4,000円なら赤字
  • 粗利が10,000円なら問題なし

このように、基準がなければ数字は意味を持ちません。
ECの広告レポートでは「この数値はOKかNGか」を明示する必要があります。

改善案が感想で終わっている

改善案が抽象的だと、レポートは行動につながりません。EC現場では、次のような表現がよく見られます。

改善案が感想で終わっている例
  • 「数値は横ばいのため、引き続き様子を見ます」
  • 「今後も改善を検討します」

これでは、何をいつどう変えるのかが分かりません。

ECの広告レポートでは、 「この商品は広告費を下げる」 「この広告は停止する」といった具体的な行動まで書いて初めて意味を持ちます。

ECの広告レポートから改善施策を導く考え方

ECの広告レポートの役割は「広告を評価すること」ではありません。数字をもとに、次に取る行動を決めることが目的です。

続ける広告

続ける広告とは、利益が安定して出ている広告です。売上が伸びているだけでは判断しません。

以下の基準を参考にし、続ける広告を決めることもできます。

  • ROASは高くないが、粗利内にCPAが収まっている
  • 毎月安定して同じ商品が売れている

この場合は、広告費を急に下げる必要はありません。ECでは「派手に伸びないが、確実に利益を生む広告」を残す判断が重要です。

止める広告

止める広告は、数字が悪いものではなく「改善余地がない広告」です。ここを見誤ると、無駄な広告費が積み上がります。

止める広告の特徴例は以下の通りです。

  • CPAが粗利を大きく超えている
  • 何度改善しても数値が変わらない

この場合、様子を見る理由はありません。ECの広告レポートでは、止める判断を先延ばしにしないことが重要です。

テストする広告

テストする広告は、将来の売上を作るための施策です。短期の数字だけで評価すると失敗します。

テストを続ける広告の例は以下です。

  • 新商品の広告
  • クリエイティブを変更した直後の広告

これらは、以下を決めたうえで検証します。

  • 期間
  • 目標数値

ECの広告レポートでは「テスト中」という位置づけを明確にすることが大切です。

ECの広告レポートは「作り方」より「使い方」が重要

ECの広告レポートに完璧な型は存在しません。重要なのは、レポートを見たあとに正しい判断ができるかどうかです。

正解のフォーマットは存在しない

広告レポートのフォーマットを探し続けても、答えは出ません。ECの商材、価格帯、利益率によって、見るべき数字が変わるためです。

  • 低単価・高回転の商品
  • 高単価・低回転の商品

同じ指標でも、判断基準は異なります。ECの広告レポートは「自社の判断に合っているか」を基準に設計する必要があります。

判断できる形になっているかが重要

良い広告レポートとは、結論が自然に導けるレポートです。
数字を見た瞬間に、次の行動が浮かびます。

  • 広告費を増やす
  • 配信を止める
  • テストを続ける

この判断が迷わずできる状態が理想です。ECの広告レポートは、使われて初めて価値を持ちます。

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まとめ|ECの広告レポートは利益判断のための道具

ECの広告レポートは、成果を報告する資料ではありません。
利益を残すために、広告をどう扱うかを決める道具です。

売上だけを追わず、利益を見る。
数字を並べるのではなく、行動につなげる。
この視点を持つことで、広告レポートはEC運営の強い味方になります。

ECの広告レポートに悩んだら、Wacworksにご相談ください

ECの広告レポートを見て 「数字はあるのに、次に何をすればいいか分からない」と感じたことはないでしょうか。

Wacworksでは、以下のような「利益判断と改善につながるレポート設計」を前提に、EC広告の支援を行っています。

  • 商品別・利益ベースでの広告レポート整理
  • 媒体ごとの役割を踏まえた改善判断
  • 続ける広告・止める広告の明確化

EC運営の意思決定に直結する視点を重視しています。

「この広告、続けるべきか止めるべきか判断できない」
「代理店のレポートが分かりにくい」

そんな状態であれば、一度整理するだけでも状況は変わります。

広告レポートを見る資料から使える資料に変えたい方は、Wacworksへお気軽にご相談ください。

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執筆者プロフィール

この記事の監修者
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株式会社Wacworks

代表取締役社長

舟瀬悠

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬悠

2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。