楽天市場に個人で出店するには?費用や必要書類についても解説
2022年時点で楽天市場には5万6千以上のECショップが出店しています。
この記事を読んでいる方で、楽天市場に出店を考えている人も多いのではないでしょうか。
「個人で出店する方法が分からない」、「個人で出店する場合、いくらかかるの?」などの悩みもあると思います。
この記事では、以下の実績を持つ筆者が個人で出店する方法や審査について解説していきますよ。
- 楽天市場、Amazon、Yahooショッピング、自社ECなどEC事業をTOTALサポート
- 計100社以上のEC事業をサポート
- コンサルティング契約リピート率95%以上(ご契約から6ヶ月間での実績)
目次
楽天市場は個人でも出店できる?
楽天市場は、開業届を税務署に提出している個人事業主に限り個人出店が可能です。個人出店でも法人と同様のプランが利用可能で、無料サポートも受けられます。
ただし、比較的審査が厳しいといわれており、事前準備を整えたうえで申し込みをしないと審査で落とされるケースが多いため、注意が必要です。開業届が必要であり、申し込み時に屋号を求められるため、事前に税務署への手続きを終わらせておく必要があります。
さらに、個人事業主であっても販売実績が無い場合は審査で落とされるケースがあるなど、他のネットショップに比べハードルが高いことも事実です。
資料請求は開業届提出前でもできるため、他のネットショップと比較検討したい際には事前にダウンロードしておきましょう。
個人で楽天市場に出店するメリット
個人で楽天市場に出店するメリットの一つは、すでに市場があるため集客の手間が省けることです。
一から個人でECサイトを立ち上げて出店するとなると、サーバーの設定からサイトページの作成、ネットでの集客など準備に時間がかかります。
楽天市場であればすでに築かれている市場に出店するため、準備が少なくサイトページも楽天市場が用意したものに則って作成していけば簡単にできます。
また、楽天市場は初心者に対するサポートも充実している点もメリットの一つです。具体的には以下のサポートを無料で受けられます。
サポートの種類 | 時期 | 内容 |
新規出店コンサルタント | 申し込み〜利用開始前 | 電話や訪問、無料セミナーなどで出店をサポート |
店舗オープンアドバイザー | 開店前 | 店舗運営システム「RMS」のページ作成、操作方法をサポート |
ECコンサルタント | 開店後 | トレンドや他店舗の事例を踏まえ、売上UPのためのコンサルタント |
個人で楽天市場に出店するデメリット
個人で楽天市場に出店するデメリットは、初期費用とランニングコストが高いことです。月額の利用料や出店費用が高く設定されており、具体的には以下の金額がかかります。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
初期費用 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 |
月額出店料 | 19,500円/月年間一括払い | 50,000円/月半年ごとの2回分割払い | 100,000円/月半年ごとの2回分割払い |
システム利用料 | 月間売上高の3.5〜7.0% | 月間売上高の2.0〜4.5% | 月間売上高の2.0〜4.5% |
※料金は税別
上記の表に加え、楽天ポイントが付与される場合や、ユーザーがアフィリエイト経由での購入に至った場合は別途料金が発生します。
法人であれば商品数を多く販売する、ブランドイメージがすでにある状態で販売できるなどコストを回収しやすいですが、個人事業主では回収までに時間がかかるケースが多いことには注意が必要です。
参考:出店プランと費用・料金体系|楽天
個人で楽天市場に出店する4つのステップ
個人で出店する方法をまとめました。
以下の4ステップで出店して運営を始められます。
- STEP1.出店申込をする
- STEP2.店舗運営システムRMSの利用開始
- STEP3.オープン審査を受ける
- STEP4.審査が通ったら運営開始
それぞれのステップを解説していきます。
個人で楽天市場に出店するSTEP1:出店申込をする
まず「出店申し込みボタン」から、出店にあたり必要な手続きを行ってください。
手続き完了後にRMSの利用開始となり、ページを実際に作成します。
申込内容確認から手続きまで2週間〜1ヶ月ほど必要です。
※RMSとは円滑な店舗運営やユーザーとの接点づくりに不可欠な機能を1つに統合したシステム
個人で楽天市場に出店するSTEP2:店舗運営システムRMSの利用開始
次に店舗運営システムRMSを利用して楽天市場にお店をつくり、決済・配送の準備を整えてください。
RMSの利用開始から審査に通るまで2週間〜1ヶ月かかります。
RMSの主要機能は4つです。
- 店舗構築
- 受注管理
- データ分析
- メール配信
個人で楽天市場に出店するSTEP3:オープン審査を受ける
店舗運営システムRMSで決済・配送の準備を整えたあとは、RMS内で楽天側に審査を依頼してください。
オープン審査を受けるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
- ①事前準備
- 店舗運営ルール検定試験の合格
- 出店料の支払い
- 楽天への口座振替登録
- ②店舗情報設定
- フルネーム、緊急連絡先、メールアドレスの入力
- 配送に関する設定
- 消費税の計算方法の登録
- ③商品準備
- カテゴリーページに最低1品以上の商品登録
- 商品画像の登録
- 商品とカテゴリーページとの紐づけ
- ④トップページ作成
- 営業時間・お問い合わせ先・決済方法等の明記
- リンク設定
- ⑤スマートフォン用ページ作成
- スマートフォンページの編集
個人で楽天市場に出店するSTEP4:審査が通ったら運営開始
審査が通ったら晴れてECショップの運営を始められます。お客様が満足いただけるようなサービスを提供して、売上を上げられるように頑張りましょう。
個人が楽天市場の審査に通るための2つの手順
審査は書類審査とオープン審査の2種類あり、禁止事項をクリアしなければいけません。
それぞれの手順を解説していきます。
審査の手順①:書類審査
出店の際は最初に書類審査を通過しなければいけません。
出店申込書・審査書類をWEBより入力し、最終的に原本を提出します。
他に必要な書類は以下の通りです。
- 取扱予定商材の販売に必要な営業許可・資格等の書類(古物、酒類、食品営業、医薬品等)
- 商材の写真
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
個人事業主の方は上記以外にも「住民票・印鑑証明書(共に契約開始日から3ヶ月以内に発行されたもの)」と「実店舗の写真」を準備してください。
審査の手順②:オープン審査
書類審査を通過したらオープン審査を受けます。
オープン審査とは、出店前に楽天市場で禁止している行為をしていないか確認する審査です。
禁止事項をクリアしなければ、オープン審査で落とされる可能性が高くなるので注意してください。
オープン審査をクリアするための禁止事項は下記になります。
- 外部リンクを店舗ページ内に貼り付け
- システム利用料等を避けるために他の連絡手段を掲載
- 自店に高評価レビューを投稿するなどのサクラ行為
- 掲載許可されていない画像の無断転載
- 楽天市場のルールを破った画像の掲載
これらの点に注意して審査に挑みましょう。
個人で楽天市場に出店する場合にかかる費用は全部で6種類
楽天市場出店にかかる費用をひと通りまとめました。
- 出店
- システム利用料
- システムサービス利用料
- R-Messe利用料
- 楽天ペイ(楽天市場決済)利用料
- オプション利用料
費用①:出店料
出店料は3つのプランによって変わります。
プランの種類 | がんばれプラン | スタンダードプラン | メガショッププラン |
月額料金 | 19,500円 | 50,000円 | 100,000円 |
※がんばれプランは年間一括払い、スタンダードプランとメガショッププランは半年ごとの2回分割払いです。
費用②:システム利用料
パソコンとモバイルを経由した月間売上高に対して発生する費用です。
利用料に関しては以下の計算式で求められます。
システム利用料=課金対象額×適用料率
また、利用するプランによって適用料率は変わります。
がんばれプランではパソコン経由で〜50万円に6.5%、〜100万円に6%、〜500万円に5.5%がかかる計算です。
- 例:がんばれプラン利用で月間売上高がパソコン経由で200万円だった場合
- 「〜50万円×6.5%」+「〜50万円×6%」+「〜100万円×5.5%」=117,500円
適用料率は違いますが、モバイル経由の計算式も同様です。
費用③:システムサービス利用料
システムサービス利用料は楽天ポイント、取引の利便性・安全性向上のためのシステム利用料、楽天スーパーアフィリエイトの3種類です。
楽天ポイントはポイント原資の1.0%負担。取引の利便性・安全性向上のためのシステム利用料は月間売上高の0.1%です。
楽天スーパーアフィリエイトの計算は①〜③で行われます。
- 楽天スーパーアフィリエイト経由の売上×アフィリエイト料率(購入された商品のジャンルに応じて2.0〜4.0%)
- 楽天スーパーアフィリエイトシステム利用料=パートナーへの成果報酬合計×適用料率
- ①+②の合計金額
パートナーへの成果報酬合計×適用料率表
パートナーへの成果報酬合計 | 適用料率 |
〜30万円 | 30% |
〜100万円 | 25% |
〜500万円 | 23% |
〜1000万円 | 20% |
1000万円〜 | 15% |
商品ジャンル別料率テーブル
ジュエリー・アクセサリー | 4% | メンズファッション | 4% |
食品 | 4% | レディースファッション | 4% |
ペット・ペットグッズ | 4% | 本・雑貨・コミック | 3% |
ダイエット・健康 | 4% | 家電 | 2% |
※ジャンルの一部
費用④:R-Messe利用料
R-Messeはユーザーと店舗間とのコミュニケーションを円滑にする機能です。
月額固定費はスタンダードプラン・メガプランは5,000円でそれ以外は3,000円になります。
費用⑤:楽天ペイ(楽天市場決済)利用料
楽天ペイ利用料はこちらです。
楽天ペイ利用料の料金テーブル
月間決済高 | |||||
平均決済単価 | 〜100万円 | 〜200万円 | 〜300万円 | 〜500万円 | 〜1000万円 |
〜7,000円 | 3.5% | 3.4% | 3.4% | 3.3% | 3.3% |
7000〜1.5万円 | 3.5% | 3.4% | 3.3% | 3.3% | 3.2% |
1.5〜2.5万円 | 3.5% | 3.3% | 3.3% | 3.2% | 3.2% |
2.5〜3.5万円 | 3.5% | 3.3% | 3.2% | 3.2% | 3.0% |
3.5〜5万円 | 3.5% | 3.2% | 3.2% | 3.0% | 2.9% |
5万円〜 | 3.5% | 3.2% | 3.0% | 2.9% | 2.8% |
費用⑥:オプション利用料
店舗運営をサポートするためのオプションもつけられます。各サービスは利用状況によって料金が変わるので注意してください。
①R-SNS(アール-エスエヌエス)
LINE公式アカウント、Instagram、FacebookなどSNSを利用して新しい店舗情報を伝えるためのサポートをするオプションです。
月額固定費は3,000円かかります。
②R-Mail
楽天が提供している送信リストを利用して、週1回無料でメール配信が可能です。基本料金(月額)は無料で、メール配信料は1通で1円(税別)かかります。
個人で楽天市場へ出店はどのジャンルがおすすめか調べてみた
楽天市場で出店するにあたって、2021年の「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2021」の総合賞を参考にしました。
総合ランキング | ショップ名 | ジャンル |
総合1位 | joshin web 家電とPCの大型専門店 | 家電・PC |
総合2位 | XPRICE楽天市場店 | 家電 |
総合3位 | アルペン楽天市場店 | スポーツ・アウトドア |
総合4位 | タマチャンショップ | 健康・食品 |
総合5位 | 越前かに職人甲羅組(DENSHOKU) | 食品 |
上記が総合1位〜5位のランキングになります。
家電と食品を扱っているショップが上位でした。
ちなみに総合6位〜10位のジャンルは下記の通りです。
総合6位は健康、総合7位は家電・アウトドア等、総合8位は家具、総合9位は医薬品・健康等、総合10位は食品でした。
1位〜10位まで衣食住のジャンルが上位を占めており、これらのジャンルは関心ある人が多いですが、競争率が高いことが予想できます。
他のショップの傾向も考えて出店するなら、自分の強みを生かせるジャンルか、衣食住でも1つか2つのジャンルに特化したショップがいいでしょう。
楽天市場の出店プラン
楽天市場には3つの出店プランがあります。大きな違いは、月額出店料とシステム利用料、登録可能な商品・画像の容量が異なる点です。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
特徴 | 月額の固定費が安い | ランニングコストが比較的安い | 容量が無制限 |
月額出店料 | 19,500円/月年間一括払い | 50,000円/月半年ごとの2回分割払い | 100,000円/月半年ごとの2回分割払い |
システム利用料 | 月間売上高の3.5〜7.0% | 月間売上高の2.0〜4.5% | 月間売上高の2.0〜4.5% |
登録可能な商品数 | 5,000商品 | 20,000商品 | 無制限 |
画像容量 | 500MBまで | 5GBまで | 無制限 |
※料金は税別
①:がんばれ!プラン
小規模向けのプランで、月額費が安く済むためまずは「がんばれ!プラン」から始めることがおすすめです。
システム利用料が他のプランに比べ高いため、一定以上の売上になるとスタンダードプランに切り替えた方がお得になります。具体的には月商140万円で安定すると、月額費を含めてもスタンダードプランの方が安くなるといわれています。
画像容量が500MBと少ないため、可能な限りアップロードする商品画像の容量を軽くすることが重要です。
②:スタンダードプラン
スタンダードプランは、商品販売が軌道に乗り始めたタイミングで利用すると1番ランニングコストが抑えられるプランです。
システム利用料が「がんばれ!プラン」よりも安く、月額費用が「メガショッププラン」の半額なため、月商140万円以上で安定する場合は基本的に「スタンダードプラン」で運用し続けることをおすすめします。
画像容量も5GBまで利用可能になるため、軽量化の手間を省けるなど時間的なコストカットも可能になるプランと言えます。
③:メガショッププラン
メガショッププランは、商品販売が完全に軌道に乗り、より多くの利益を出したい時に利用するプランです。
月額費が10万円と最も高く、個人事業主でここまでの規模でネットショップを運用することは少ないでしょう。基本的にはがんばれ!プランか、スタンダードプランで十分なケースが多いです。
どうしても画像点数が必要な場合や、商品数が2万を超える時に使用するプランのため、ネットショップを主たる業務にしている場合や法人として大規模になってきた際に利用を検討しましょう。
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楽天市場はサポートが充実しているものの、基本的には楽天市場で運用するツールの使用方法や、楽天市場内での情報しか得られません。さらに、実績が無い場合は楽天市場で開店すらできないケースもあります。
ECビジネスをこれから始めるにはノウハウと実績が必要になりますが、専門性が高く何から手をつければいいかわからないこともあるでしょう。
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この記事を書いた人
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