RPP広告とは?楽天RPPの仕組み・設定方法・運用のコツを解説

楽天市場で広告運用を行うなら、まず理解しておきたいのが「RPP広告(Rakuten Promotion Platform)」です。
RPP広告は、検索キーワードに連動して商品を上位に表示できるクリック課金型の広告で、店舗の集客力を大きく左右します。
入札金額やCTR、商品情報の関連性によって掲載順位が決まり、ROAS(広告費用対効果)をもとに最適化を進める仕組みです。
近年はAI自動最適化機能や外部配信(RPP-EXP)も導入され、戦略的な運用設計が求められています。
本記事では、RPP広告の基本構造から設定方法、費用の目安、成果を高める改善のコツまでを体系的に解説します。
目次
RPP広告とは?

RPP広告は、楽天市場に出店している店舗が活用できる代表的な集客施策です。検索結果に関連する商品を上位表示し、顧客の購買アクションを促す仕組みを持っています。ここでは、基本構造と仕組みを順に整理します。
RPP(RakutenPromotionPlatform)は楽天市場の主要プロモーション広告
RPP(RakutenPromotionPlatform)広告は、楽天市場内で展開される検索連動型広告の仕組みです。ユーザーが検索したキーワードに関連する商品を上位に表示でき、効果的な集客が期待できます。
主な特徴は次のとおりです。
- 配信対象:楽天市場に出店している全店舗
- 広告の目的:検索からの自然流入を補い、購買率を高める
- 料金形態:クリック課金(CPC)制で、クリックされた時のみ費用が発生
- 表示場所:検索結果ページ、カテゴリーページ、トップページなど
店舗が持つ「商品データ」や「レビュー評価」をもとに、システムが自動で広告を配信します。店舗ごとの露出機会を増やし、販売促進や新規顧客獲得の可能性を広げるプロモーション施策です。
RMSを使って商品情報を自動分析・配信
RPP広告の運用は、RMS(楽天マーチャントサーバー)を通じて行います。RMSに登録された商品情報や在庫、レビュー、価格データをもとにAIが自動分析を行い、最適な顧客層へ広告を配信します。
広告運用の流れは次のとおりです。
- RMSにログインし、RPP広告管理画面から商品データを登録
- 検索キーワード・予算・期間を設定してキャンペーンを作成
- AIが顧客の検索行動や購買履歴を解析し、最適なタイミングで配信
- RMSのレポート機能でCTR・CVR・ROASを確認し、改善を実施
この自動化機能により、初心者でも基本的な設定で効果的な広告配信が可能になります。
特に、CTR(クリック率)・CVR(転換率)・ROAS(費用対効果)をもとに分析することで、無駄な予算消化を防ぎつつ集客力を維持できます。
入札金額・クリック率(CTR)・関連性で広告順位が決まる
RPP広告では、入札価格・CTR(クリック率)・キーワードの関連性などが広告順位に大きく影響します。入札単価を上げるほど上位表示されやすくなりますが、CTRが低い場合は順位が下がることもあります。
評価項目は主に以下のとおりです。
- 入札価格(CPC):高いほど上位表示されやすい
- CTR(クリック率):ユーザーに選ばれる広告ほど優先
- 関連性:商品タイトル・説明・キーワード一致度
- 広告履歴:過去の掲載実績・クリック結果
これらの指標を総合的に判断することで、楽天市場はより効果的な広告を自動的に上位表示します。
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レビュー・在庫・販売実績などが品質スコアに影響
RPP広告の掲載順位は、単なる入札額だけでなく「品質スコア」も反映されます。品質スコアは、ユーザーが安心して購入できる商品かどうかを測る内部指標です。
評価対象となる主な要素は次の通りです。
- レビュー数と評価点:顧客満足度の高い商品が優遇される
- 在庫状況:在庫切れ商品は表示優先度が下がる
- 販売件数・リピート率:販売実績があるほど上位表示されやすい
- ページ品質:画像・説明文・特典などの充実度
これらを改善することで、CTRやROASの向上につながり、広告費の最適化にも寄与します。
広告は検索結果・ジャンルページ・トップページに表示される
RPP広告は、楽天市場の複数の領域に配信されます。検索結果だけでなく、ジャンルページやトップページにも表示され、ユーザー接点を多角的に確保します。
主な掲載場所は以下の通りです。
- 検索結果ページ:最上部3位(スマホは5位)に表示
- ジャンルページ:カテゴリ別に関連商品を表示
- トップページ:おすすめ枠で注目商品を表示
- 外部メディア連携枠(RPP-EXP):Google・YouTubeなど
こうした複数の掲載面により、顧客の購買フェーズに合わせたアプローチが可能になります。結果として、広告露出の最大化と売上拡大を両立できます。
RPP広告の最新アップデート(2025年版)
2025年7月14日、楽天RPP広告に大規模なアップデートが実施されました。AIによる自動最適化機能が追加され、入札や予算管理の工数削減と費用対効果の向上が実現します。
AIがクリック単価と予算を自動調整する「自動最適化機能」
新機能「AI自動最適化」では、システムがクリック単価(CPC)と予算配分を自動的に最適化します。これにより、店舗ごとの入札調整作業が不要になり、より戦略的な運用が可能になります。
主な機能は以下の通りです。
- CPCの自動調整:広告効果に応じて単価を上げ下げ
- 予算配分の最適化:高成果の広告枠に予算を集中
- リアルタイム学習:クリック率(CTR)・CVRの変動に即応
AIによる自動運用で、人的工数を減らしつつ、ROASの最大化を狙える点が大きな特徴です。
掲載面ごとの成果を分析して費用を最適化
AIは、楽天市場内の「掲載面(レ面)」ごとにCTRデータを計測し、広告効率に応じた最適配信を行います。これにより、費用を抑えながら高いパフォーマンスを維持できます。
- 検索結果ページ:CTRが高ければCPCを引き上げて露出強化
- カテゴリーページ:CTRが低ければCPCを引き下げて費用削減
- トップページ:注目商品やレビュー評価の高い商品を優先
このように、掲載領域別の効果を見ながら配信を自動制御するため、無駄な広告費の発生を防ぎ、費用対効果を安定化できます。
AI運用で作業を減らし、戦略に集中できる体制を構築
従来のRPP運用では、入札額やCPCの手動調整に時間がかかることが課題でした。AI最適化機能の導入により、担当者は日次の入札作業から解放され、分析や戦略立案にリソースを割けるようになります。
具体的な運用変化は以下の通りです。
- Before:CPC変更や予算再設定に1商品あたり数分を要する
- After:AIが自動で最適化、担当者はROASと売上指標の確認に専念
- 結果:運用時間を約30〜40%削減
これにより、チーム全体の作業負荷を軽減し、効果検証や改善提案といった上位業務に集中できます。
RPP広告のメリット

RPP広告は、楽天市場で安定的に集客と売上を伸ばすための中心的な広告手法です。CPC制で無駄な出稿を抑えながら、成果の高いキーワードに集中投資できる点が特徴です。ここでは4つの主なメリットを整理します。
検索上位表示で新規顧客を獲得しやすい
RPP広告の最大の魅力は、楽天市場の検索結果で上位表示を狙える点にあります。検索上位に露出することでクリック率(CTR)が高まり、新規顧客への接触機会が大幅に増加します。
主な効果は以下の通りです。
- 検索結果1〜3位に表示されることで自然流入より高いクリック率を獲得
- 検索意図の強いユーザー層に直接アプローチ
- 商品ページ閲覧数・購入率の向上
検索上位を維持するには、キーワード選定やレビュー管理など継続的な運用対策が欠かせません。
データを活用して広告費を効率よく配分できる
RPP広告では、ROAS(ReturnOnAdvertisingSpend:広告費用対効果)を基準に運用を改善します。CTRやCVRといったデータをもとに、どの商品へ予算を集中すべきかを判断できます。
- 高ROASの商品:予算を増額し、露出を拡大
- 低ROASの商品:キーワード・CPC・画像などを改善
- RMSのレポートで成果を週次・月次単位で分析
ROASを軸にしたデータ運用により、効果的な広告費配分と無駄のない運用が可能です。これがRPPを「改善し続けられる広告」と言われる理由です。
少額予算から始められ、初心者でも運用しやすい
RPP広告は、月5,000円から運用を開始できる柔軟性が魅力です。広告運用初心者でも始めやすく、店舗規模を問わず導入可能です。
- 最低出稿金額:5,000円/月〜
- 配信対象:全商材(除外設定で制御可)
- RMSでクリック数・費用・ROASを可視化
最初は少額でテスト配信を行い、効果を見ながらキーワードやCPCを調整するのが基本的な運用手順です。これにより、無理のない範囲で広告ノウハウを蓄積できます。
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RPP広告のデメリット

RPP広告は集客効果の高い仕組みですが、運用方法を誤ると広告費が膨らみ、ROASが悪化するリスクもあります。ここでは、実際の運用現場でよく発生する4つのデメリットを解説します。
競合が多くクリック単価(CPC)が上がりやすい
楽天市場では多くの店舗がRPP広告を利用しており、人気キーワードの入札競争が激化しています。そのため、同じキーワードを狙うとクリック単価(CPC)が上がりやすく、費用対効果が低下することがあります。
上昇しやすい要因は以下の通りです。
- 同ジャンル内での競合入札が集中
- イベント期間中(セール・マラソン)で広告枠が飽和
- CTR(クリック率)の低下による広告順位の下落
このため、競争率の低いロングテールキーワードを活用し、露出バランスを取ることが重要です。
利益率の低い商品では効果が出にくい
広告費が利益を上回るケースも少なくありません。単価が低い商材や原価率が高い商品では、ROAS(広告費用対効果)が悪化するリスクがあります。
対策のポイントは以下の通りです。
- 利益率の高い商品に広告を集中させる
- ROAS300%以上を1つの判断基準にする
- RMSレポートで商品別ROASを定期チェック
利益率とROASのバランスを意識することで、赤字運用を防ぎ、予算効率を高められます。
設定を放置すると費用が無駄に消化される
AI最適化後も、設定を放置すると無駄な予算消化(暴発)が起こる場合があります。とくに上限クリック単価(MaxCPC)を設定していないと、AIが自動的に入札を上げすぎてしまうことがあります。
発生しやすい状況は以下の通りです。
- 上限CPC未設定のまま配信を継続
- 除外ワード未設定で関連性の低い検索に出稿
- 予算配分が固定化し、低ROAS商品の露出が増加
週次・月次でCTR・ROASを確認し、CPCと除外設定を見直すことが最善の対策です。
継続的な分析と入札調整に手間がかかる
RPP広告の成果を維持するには、継続的な分析と入札調整が欠かせません。クリック単価・ROAS・CVRを定期的に見直し、商品ごとの成果を把握する必要があります。
代表的な運用タスクは以下の通りです。
- RMS「パフォーマンスレポート」でCTR/ROASを分析
- キーワード除外・入札単価調整を週1〜2回実施
- 商品レビュー・在庫情報を更新
このように、人手によるチェックを怠ると広告効率が低下しやすく、長期的なパフォーマンス維持には一定のリソース確保が必要です。
RPP広告の設定手順
RPP広告は、楽天の管理画面「RMS」から簡単に設定できます。操作は大きく4ステップに分かれており、初めての方でも順を追って設定すればスムーズに出稿できます。ここでは実際の流れを紹介します。
RMSからRPP広告を新規登録する
まず、RMSにログインし、「広告管理」メニュー内にある「検索連動型広告(RPP)」を選択します。そこから「キャンペーン新規登録」をクリックし、広告の基本設定画面を開きます。
主な入力項目は以下の通りです。
- キャンペーン名:任意の名前(例:7月新商品PR)
- 開始・終了日:配信期間を指定(上限なし設定も可)
- 日別予算:1日の上限額を入力(例:1,000円)
これにより、配信期間と予算を自社の販促スケジュールに合わせて柔軟に管理できます。
キャンペーンを作成して対象商品と期間を設定する
次に、作成したキャンペーンに広告対象となる商品を追加します。1つのキャンペーンに複数商品を紐づけることができ、商品単位でCPCや期間を設定可能です。
設定時のポイントは以下の通りです。
- 広告対象商品を指定:全商材からピックアップ
- 掲載期間:販売イベントやセール日程に合わせて調整
- 上限クリック単価(MaxCPC):商品単価や利益率を踏まえて設定
この工程で、配信対象と広告表示のタイミングを最適化します。
除外設定を使って広告の無駄配信を防ぐ
RPP広告は、基本的に店舗内の全商品が配信対象ですが、除外設定を活用することで広告の無駄を防げます。特に利益率の低い商品や在庫切れ商品は配信対象から外すのが基本です。
除外設定の具体例は以下の通りです。
- 利益率が10%未満の商品を除外
- 在庫が少ない・販売停止中の商品を除外
- 同カテゴリ内で重複掲載している商品を除外
これにより、広告費を高ROAS商品へ集中投資し、無駄なクリック発生を防止できます。
クリック単価・予算・時間帯を設定して配信を開始する
最後に、クリック単価(CPC)・配信時間帯・日別予算を設定します。楽天のRPP広告では、曜日や時間帯によって購買行動が変化するため、時間指定の最適化が重要です。
設定時のチェック項目は以下の通りです。
- 平日・週末でクリック率が異なる時間帯を確認
- 予算上限を設定して急な予算消化を防ぐ
- 高成果時間帯(例:20〜23時)を重点配信に設定
これらを適切に調整することで、広告の効率を最大化できます。設定完了後は「保存」ボタンを押し、配信を開始しましょう。
RPP広告の効果測定と改善
RPP広告は、配信後の分析と改善を行うことで費用対効果を最大化できます。CTR(クリック率)やROAS(広告費用対効果)を継続的に確認し、改善サイクルを回すことが成果向上の鍵です。
CTR・CVR・ROASなどの主要指標を定期的に確認する
広告の成果は、複数の指標を組み合わせて判断します。とくにCTR(クリック率)・CVR(転換率)・ROAS(費用対効果)は必ず確認すべき指標です。
主な分析項目は以下の通りです。
- CTR:広告がどれだけクリックされたかを把握
- CVR:クリック後にどの程度購買に至ったかを分析
- ROAS:広告費に対する売上効果を数値化
これらをRMSのレポートで週次・月次で確認することで、改善ポイントを早期に発見できます。
商品別・ジャンル別の成果を比較して改善点を特定する
広告の成果は商品やジャンルによって大きく異なります。RMSのパフォーマンスレポートでは、商品別・キーワード別・ジャンル別のデータを確認できます。
注目すべき項目は以下の通りです。
- 商品別ROAS
- ジャンル別CTR・CVR
- 広告費と売上金の推移
これらのデータを比較し、低ROAS商品の入札金額を見直したり、CTRの高いジャンルに予算を再配分することで、全体の費用対効果を改善できます。
データをCSVで出力して分析・可視化する
RMSでは、広告データをCSV形式で出力できます。外部ツールで分析することで、広告費・売上金・クリック件数などを一元的に管理し、データに基づく意思決定が可能になります。
CSV分析で確認すべき項目は以下の通りです。
- 日別クリック数・費用・売上の推移
- 高成果商品の広告経由売上金
- 期間ごとのROAS変化
定期的にデータを可視化し、成果の高い商品・キーワードへ重点投資することで、効率的な広告運用を実現できます。
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RPP-EXP(エクスパンション)の活用方法
RPP-EXPは、楽天市場の広告をモール外のプラットフォーム(Google・YouTubeなど)へ拡張配信できる仕組みです。RPPと同様にAIが自動最適化を行い、ROASを基準に配信バランスを調整します。モール内運用に慣れた店舗でも、外部集客の強化に活用できます。
楽天以外(Google・YouTubeなど)にも広告を配信する
RPP-EXPは、楽天市場で登録した商品を、GoogleやYouTubeなど外部メディアへ自動的に広告出稿できる機能です。いわば「楽天版Google広告」といえる仕組みで、広告担当者の新たな集客チャネルとして注目されています。
主な特徴は次の通りです。
- 配信先:Google検索、YouTube、Gmail、楽天関連メディア
- 課金方式:クリック課金(CPC)モデルを継続採用
- 配信対象:RPPで登録済みの商品情報が自動連携
外部媒体でも楽天RPPと同様に、AIがCTR・CVRを分析して最適な掲載面へ広告を配信します。これにより、楽天市場外からの新規顧客流入を増やし、店舗全体の販売機会を拡大できます。
外部ROASを基準に、新規顧客向けキャンペーンを実施する
2025年からRPP-EXPでは「ROAS重視キャンペーン」が標準設定になりました。従来のクリック重視型配信を廃止し、AIが広告費に対する売上効果を最大化するよう自動最適化します。
運用時に意識すべきポイントは以下の通りです。
- 外部ROASはモール内より低く設定(目安:400〜500%)
- 新規顧客獲得フェーズではCPAよりLTVを重視
- 成果計測にはRMSとGoogleAnalytics両方を活用
外部広告はCVRが低くなりやすいため、ROAS数値だけで判断せず、長期的な顧客育成の視点で分析することが重要です。これにより、ブランド認知とリピート購入の両立が可能になります。
モール内と外部広告を比較し、最適な配分を設計
RPP広告とRPP-EXPの両方を運用する場合、モール内と外部配信のROASを比較して予算配分を決めることが重要です。楽天内での即時購買と、外部メディアでの新規顧客獲得では、広告目的が異なるためです。
比較・分析の手順は以下の通りです。
- RMSでモール内ROASを抽出
- Google広告・YouTube分析ツールで外部ROASを取得
- 費用・クリック数・コンバージョンを一覧で比較
この比較をもとに、モール内広告では「売上最大化」、外部広告では「新規流入増加」を目的にした2軸戦略を設計します。Wacworksでも、両チャネルのROASを統合管理するレポート設計を推奨しています。
データを蓄積して中長期的に効果を高める
RPP-EXPは導入初期にROASが低く出やすい傾向があります。しかし、CTRやCVRのデータが蓄積されると配信精度が向上し、費用対効果も安定します。短期的な成果にとらわれず、中長期視点で運用を継続することが重要です。
成果を出すためのポイントは以下の通りです。
- 初期1〜2ヶ月はROASよりデータ収集を優先
- 高CTRな配信面をAIが自動検出するまで待機
- 一定期間後にROASを再評価し、予算を再配分
こうした段階的な運用を行うことで、RPP-EXPは「新規流入拡大」と「ROAS最適化」を両立できる媒体に育ちます。
RPP広告のROAS戦略
RPP広告の成果を判断するうえで、最も重要な指標がROAS(ReturnOnAdvertisingSpend=広告費用対効果)です。ROASを軸に運用することで、費用対効果を正確に把握し、最適な予算配分を行うことができます。
新商品は認知重視でROAS100〜200%を目標にする
新商品の立ち上げ期は、短期間で成果を求めず「データ収集」を目的に広告を出稿することが基本です。ROAS100〜200%程度であっても問題ありません。広告費を投資と捉え、クリックデータやCTR・CVRを蓄積することが最優先です。
新商品運用のポイントは次の通りです。
- CTRやCVRを分析し、訴求軸をテストする
- 顧客層や購買導線を把握してLTVを計算
- 一定期間後にROASが安定したら予算を再配分
この段階で得たデータが、次期キャンペーンや商品改善の基礎となります。
リピート商材はROAS200〜300%を維持して長期運用
定期購入やリピート率の高い商材は、広告投資後の回収期間を考慮し、ROAS200〜300%を目安に運用を継続します。初期は赤字に見えても、LTV(顧客生涯価値)で黒字化できるケースが多いためです。
効果を安定させるための対策は以下の通りです。
- RMSレポートで商品別のROAS推移を確認
- 成果の高い顧客層へリターゲティングを実施
- 継続購入データを分析して広告配信を最適化
こうした「短期成果より継続改善」を意識した戦略が、リピート商材の収益を最大化します。
単品商材はROAS500%以上で利益を確保
単品販売型の商品は、広告経由の販売金額が直接利益に直結します。ROAS500%以上を目安に設定し、クリック単価(CPC)や配信面を細かく調整することが理想です。
実践ステップは以下の通りです。
- 高CTRキーワードに絞って広告を強化
- ROAS500%未満の商品はキーワード・画像を改善
- 広告経由の売上を商品別に分析し、投資効率を検証
単品商材は瞬発的な成果が出やすいため、定期的にROASを再評価し、利益を確保するための最適化を続けることが重要です。
ROASが高すぎる場合は投資拡大で機会損失を防ぐ
ROASが1000%を超えている場合、一見高い成果に見えますが、広告投資が不足している可能性があります。十分な露出が取れていないことで、売上拡大の機会を逃しているケースも少なくありません。
この場合の改善方針は以下の通りです。
- 高ROAS商品のCPCを上げて露出を拡大
- 関連キーワードを追加し表示面を増加
- 費用を段階的に増やし、CTR・CVRの変化を確認
ROASは高すぎても最適とは言えません。目標ラインを維持しながら、投資と回収のバランスを取ることが重要です。
広告費を売上の10〜20%に保って安定運用する
ROASの数値だけでなく、売上全体に対する広告費率を併せて見ることで、より現実的な運用判断ができます。広告費率が10〜20%に収まっていれば、安定的な運用状態といえます。
効果的な配分の目安は以下の通りです。
- 売上全体に対して広告費10〜20%を維持
- 立ち上げ期は最大30〜40%まで許容
- ROAS300〜600%を安定目標とする
これらの基準を踏まえて、商品別・媒体別に広告予算を最適配分することで、費用対効果を継続的に高められます。
RPP広告のトラブル・注意点
RPP広告はAI最適化で効率的に運用できますが、設定内容を誤ると想定外の費用発生や誤配信が起こることがあります。ここでは実際の運用現場で多い3つのトラブルとその対策を紹介します。
他社ブランド名で誤配信されるのを防ぐ
RPP広告では、商品タイトルやキーワード設定によって他社ブランド名の検索結果に表示されることがあります。これは「関連性が高い」とAIが誤認識することで発生する現象です。
誤配信を防ぐ対策は以下の通りです。
- 除外設定で他社ブランド名・競合ワードを登録
- RMSの「楽天サーチ」で表示キーワードを定期確認
- 商品名に他社ブランド名や曖昧な語句を入れない
これらを徹底すれば、CTRやROASの低下を防ぎ、ブランド信頼性を保てます。誤配信を放置すると、クリック単価(CPC)の無駄な上昇にもつながります。
予算の急消化(暴発)を防ぐために上限CPCを設定する
自動最適化機能導入後、AIが入札単価を上げすぎて予算が急速に消化する“暴発”が起きることがあります。特に上限クリック単価(MaxCPC)を設定していない場合に多発します。
暴発を防ぐための基本対策は以下の通りです。
- RMSで上限クリック単価(MaxCPC)を必ず設定
- 日次・週次の広告費をモニタリング
- CPCが急増した場合は即時調整
これにより、予算内で安定した広告運用を維持できます。AI運用だからといって完全に任せるのではなく、担当者によるチェック体制を整えることが重要です。
CTR・CVRが下がったときは商品ページを見直す
CTR(クリック率)やCVR(転換率)が下がったまま放置すると、広告全体のROASが低下します。特に季節変動や在庫状況の変化でCTRが落ちるケースが多く、早期検知と改善対応が必要です。
見直すべき主な項目は以下の通りです。
- 商品ページの画像・説明文の鮮度
- 在庫切れ・価格変動による広告非表示
- 広告対象商品のクリックデータとROASの乖離
定期的にRMSレポートを確認し、CTRやCVRが下がっている商品を特定して改善を行うことで、広告効果を回復させられます。小さな変化でも早めの対応が成果を大きく左右します。
RPP広告の成功事例と具体的成果
RPP広告は、正しい分析と改善サイクルを重ねることで大きな成果を上げられます。ここでは、Wacworksが実際に支援した3つの成功事例を通じて、どのようにROASやCTRを改善し、売上向上につなげたのかを紹介します。
主要キーワード1位獲得で月商4,000万円を達成したケース
あるアパレル企業では、「楽天市場で検索上位に表示されない」という課題を抱えていました。WacworksはCTRとCPCを詳細に分析し、ROASが高いキーワードへ入札を集中。さらに、RMSレポートを用いて低CTR商品を除外し、クリック単価を最適化しました。
結果、検索上位3位以内の掲載率が大幅に上昇し、クリック数が前月比で+72%。ROASは410%に到達し、月商4,000万円を突破しました。分析と除外設定の徹底が成功の鍵となった事例です。
ROAS改善で広告費を20%削減した具体的施策
食品ジャンルの店舗では、CPCの上昇により広告費が利益を圧迫していました。Wacworksは商品の利益率とCTRを掛け合わせた「広告収益効率表」を作成し、ROAS200%未満の商品を一時停止。AI最適化を併用しながら、上限CPCを段階的に見直しました。
その結果、ROASは230%→360%へ上昇し、同時に広告費を20%削減。費用対効果を改善しながら売上を維持できたことで、安定した広告運用体制を構築できました。
RPP広告とSEOを組み合わせてCVRを向上させた事例
化粧品カテゴリのクライアントでは、広告経由のアクセスは多いものの購入率(CVR)が伸び悩んでいました。Wacworksは、RPP広告のCTRデータと自然検索のキーワードを統合分析。顧客の検索意図をもとに商品名・説明文・レビュー訴求をSEO視点で最適化しました。
結果、広告クリック後のCVRが2.3%から3.8%に上昇。自然検索でも露出が増え、広告・SEO両面からの流入増加に成功しました。広告運用とコンテンツ改善を連携させた、Wacworksらしい統合戦略の好例です。
RPP広告運用を効率化するノウハウ
RPP広告を安定的に成果へつなげるには、日々の管理工数を減らしながら、データに基づいた改善を継続する仕組みが必要です。Wacworksが提供する「ECグロース攻略本 RPP広告編」は、楽天RPP広告の運用を体系的に整理できる無料資料です。広告運用のやり方を標準化し、誰でも同じ手順・精度で改善を進められるように設計されています。
主な内容は以下の通りです。
- CTR・ROAS・CVRなど、成果を測る指標別チェックリスト
- 入札や除外設定の管理テンプレート
- 月次・週次で使える効果測定スケジュール表
LINE登録で無料ダウンロードでき、GoogleスプレッドシートとRMSレポートを連携する方法も紹介。手作業を減らし、レポート作成を自動化できます。これにより分析・改善にかける時間を確保し、運用効率を平均40%以上向上。さらに、分析・設定・改善を担当ごとに分ける分業体制を導入すれば、チーム全体の改善スピードと精度が一段と高まります。
まとめ|RPP広告で成果を最大化するために
RPP広告は、楽天市場での売上を左右する重要なプロモーション施策です。AI自動最適化の導入やRPP-EXPによる外部配信拡大など、運用環境は大きく進化しています。これからの運用では、作業ではなく戦略を重視する姿勢が求められます。
成果を出す店舗は、共通して「ROASを基軸にした運用判断」を行っています。クリック単価(CPC)や予算配分を都度見直し、AIの自動入札に任せすぎず、データに基づいた改善を継続している点が特徴です。広告費率を10〜20%に保ちつつ、CTR・CVRの変化を正確に読み取ることが、費用対効果を最大化する鍵となります。
Wacworksでは、RPP広告の最適化に必要なデータ分析支援や運用代行を提供しています。AIが進化しても、運用の方向性を決めるのは人です。ROASを正確に分析し、広告戦略を緻密に設計できる店舗こそが、これからの楽天市場で安定した成長を実現できるでしょう。
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