Amazonで代引きできる?設定方法やメリット・デメリットを徹底解説

Amazonでの販売を行うEC事業者の中には、「代引き決済を導入できるのか?」「設定方法や手数料は?」といった疑問を持つ方が多いでしょう。
結論から言うと、AmazonではFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用している場合のみ、代引き決済が可能です。ただし、手数料や返品リスク、受け取り拒否といったデメリットもあるため、慎重に検討する必要があります。
本記事では、Amazonでの代引き決済の導入方法、メリット・デメリット、手数料、代替手段との比較、そして「代引きができない」場合の対処法まで詳しく解説します。EC事業の成長に向けて、最適な決済手段を見極めましょう。
「売上がなかなか上がらない」
「どんな広告を打ったらいい?」
目次
Amazonで代引き決済は可能?基本ルールをおさらい

代引き決済とは
代金引換(代引き)とは、購入者が商品受け取り時に代金を支払う決済方法です。クレジットカード情報を入力せずに済むため、カードを持っていない人やネット決済に不安がある人に人気です。
Amazonでは「FBA(フルフィルメント by Amazon)」を利用している場合のみ代引き決済が可能です。自己発送(FBM)の場合は代引きができません。
Amazonで代引きができないケース
「Amazonで代引きが使えない」と感じるケースには以下のような理由があります。
- 自己発送(FBM)の場合 : Amazonのシステム上、FBMでは代引きが提供されない
- 一部のカテゴリーでは代引き対象外:デジタルコンテンツなど、代引き不可の商品がある
- 海外配送の場合:Amazonの国際配送では代引きが利用不可
上記に当てはまる場合は、代引き以外の決済手段を検討する必要があります。
Amazonでの代引きの基本ルール
「Amazonで代引きはできるの?」という疑問を持つ方も多いですが、結論としては「FBA(Fulfillment by Amazon)」を利用している出品者のみ、代引き決済を提供できる」というルールになっています。
- FBA利用時のみ対応:Amazonが販売・発送・決済代行を行うFBAを利用していれば、特別な設定なしで自動的に代引きが可能になるのが大きな特徴です。
- 自己発送(FBM)では不可:自分で梱包・発送を行うFBM(Fulfillment by Merchant)の場合は、Amazonのシステム上、代引き決済が提供されません。
- 購入者が支払う手数料:代引き手数料は購入者が負担します(通常0円ほど)。出品者が手数料を負担するわけではないので、導入コストとしては大きな負担になりづらい一方、購入者目線で見ると、「プラスアルファの料金がかかる」ことになります。
このように、Amazon内での代引き決済の実装はFBAが前提となります。自己発送での代引き決済は認められていないため、「どうしても代引き決済を導入したい」という場合は、FBAへの切り替えを検討する必要があるでしょう。
Wacworksでは、代引き決済など運営にまつわるサポートを行います。代引きを利用するか迷っている方は、ぜひご相談ください。
Amazonで代引き決済を設定する方法(FBA利用者向け)

ここからは、FBA利用者に向け、Amazonで代引き決済を設定する方法を解説します。
FBA利用の前提
FBAを利用するためには、AmazonセラーセントラルにてFBAプログラムへの登録が必要です。FBAは、在庫をAmazonの倉庫に預け、注文が入ったらAmazon側でピッキング・梱包・配送・カスタマーサービスを行うという仕組みです。
出品者としては、大量発送や顧客対応の工数を減らせるメリットがある反面、FBA手数料などが発生します。
引き決済設定の流れ
FBAを利用している場合、特別な設定はほぼ不要です。理由は、Amazonが独自に代引き決済機能を提供しているため。
通常、FBAに在庫がある商品を出品していれば、自動的に商品ページに「代引き」が選択肢として表示されるようになっています。
ただし、以下の点は注意が必要です。
- 出品商品のカテゴリー確認:一部、代引きが適用できないカテゴリーや条件がある可能性があります。出品カテゴリーのガイドラインを改めてチェックしておきましょう。
- 商品説明に「代引き可」と明記:代引きが可能な商品であることを、商品説明や説明文中に明記しておくと、顧客に安心感を与えられます。「この商品はFBAにより代引きでのお支払いが可能です」といった文言を入れることで、購入率アップが期待できます。
- 受け取り拒否時の方針を決めておく:返品・キャンセルポリシーを予め明確にしておくことも重要です。代引きは受け取り拒否により在庫が戻ってくるケースもあるため、その際の返品送料の扱いや再発送手順などを社内で統一しておきましょう。
代引き決済の手数料について
Amazonでの代引き手数料は、0円(変動する可能性あり)が基本的な設定といわれています。これは、購入者負担として明示されるため、出品者が負担するケースは通常ありません。
しかし、価格競争が激しいカテゴリーでは「手数料がかかるなら他店で買おう」と敬遠される可能性もあります。自社の商品価格設定やマーケット状況を考慮した上で、実際にどれだけメリットが得られるかを検討することが大切です。
Amazonでの代引き決済がもたらすメリット

ここからは、Amazonでの代引き決済がもたらすメリットについて解説します。
クレジットカード非保有層・シニア層の取り込み
クレジットカードを持っていないユーザー、あるいはクレジットカードを使うことに抵抗があるユーザーは、意外と多く存在します。特に高齢者層や学生層、あるいはネットショッピングに慣れていない層は、カード情報を入力せずに商品を購入できる「代引き決済」を好む傾向があります。
また、新規顧客の中には「とりあえず代引きで買ってみて、問題ないようならリピートする」という心理が働く場合もあります。こうしたユーザーを取りこむことで、新規顧客獲得数を増やす効果が期待できます。
カート離脱率の改善
購買意欲があっても、支払い方法に不安があるために「やっぱりやめよう」とカートを離脱してしまうケースは少なくありません。代引き決済を選択肢に含めることで、「クレカ情報を入力しなくても買える」という安心感を提供でき、カート離脱率を抑制できる可能性があります。
特に、Amazon内で買い物をするユーザーの多くはクレジットカード決済に慣れているとはいえ、すべてのユーザーがそうとは限りません。代引き決済という選択肢があることで、「欲しいときにすぐ買える」「カード登録が不要」と感じる層を逃さないのが大きなメリットです。
後払いリスクが少ない
後払い決済や銀行振込の場合、「商品は出荷したのに入金がない」というリスクが発生することもあります。一方で代引きの場合は、購入者が商品を受け取ると同時に支払いが完了する仕組みのため、売り手側が代金を回収できないリスクが極めて低いです。
特に大きな金額の商品を扱う場合や、与信管理が難しい場合には、代引きが有効な手段となるでしょう。
Amazonでの代引き決済が抱えるデメリットとリスク

ここからは、Amazonでの代引き決済が抱えるデメリットとリスクについて解説していきます。
受け取り拒否による在庫ロス・送料負担
代引きの大きなデメリットとしては、受け取り拒否が挙げられます。購入者が「やっぱりいらない」と受け取りを拒否すると、その商品は出品者の在庫として戻ってきます。もし返品送料が出品者負担となる契約であれば、その分のコストが発生してしまいます。
また、商品が一度外部に出荷されている間は売り在庫として扱えないため、機会損失を招く可能性もあります。
FBAを利用していれば、Amazonが返品対応を行ってくれますが、返品や再入荷にかかる費用は出品者の負担になるケースが大半です。高額商品を扱っている場合は、1件の受け取り拒否でも大きな赤字を生みかねないので、注意が必要です。
代引き手数料による心理的ハードル
価格競争が激しい商品カテゴリー(例えば、書籍や日用品など)では、他の出品者がクレジットカード決済のみで安く提供している場合、代引き手数料分だけ割高感を覚えられる可能性があります。
EC事業者側としては「手数料はお客さま負担だから問題ない」という認識を持ちがちですが、購入者が「同じ商品を買うなら、手数料がかからないほうがいい」と考えるのは当然です。
利益率が高い商品や、価格勝負よりも顧客体験重視のジャンルであれば問題ないかもしれませんが、激戦区の商品だと、むしろ売上が伸び悩む原因になることもあるでしょう。
作業効率の悪化(在庫管理・返品対応)
FBAを利用しているとはいえ、返品率が上がれば、その分だけ在庫管理や返品対応の工数が増えることになります。特に、受け取り拒否が頻発すると、商品が度々Amazon倉庫に戻ってくるわけですから、再検品や再出品に関わるコストが発生します。
また、顧客とのコミュニケーションが必要な場合は、その問い合わせ対応も増える可能性があります。
「代引きにしたのに商品が届かない」「受け取り日時を変更したい」といった要望が多発すると、カスタマーサポートの対応に追われることになるかもしれません。
Amazonでの代引き導入が売上・顧客獲得に与える影響

ここからは、Amazonでの代引き導入が売上・顧客獲得に与える影響について解説していきます。
新規顧客の獲得に寄与
「代引きが使えるなら買ってみよう」という新規顧客は少なくありません。
特にネットショッピングに不慣れなユーザーからすると、代引きは最も安心できる決済方法の一つです。最初のハードルを下げることで、一度購入してもらい、その後リピートにつなげるという流れを作りやすくなります。
カート離脱率の低減
すでに述べたように、カート離脱率の改善に役立つ点も見逃せません。Amazon内で商品を探すユーザーは非常に多いですが、最終的にクレジットカード情報の入力やその他の支払い手続きで「面倒だ」と感じて離脱してしまうことがあります。
代引きという選択肢を提示することで、「今すぐ欲しいから住所だけ入力して注文してしまおう」とスムーズに購入に至るケースが増えるのです。
ただし運用コストとのバランスを考慮
一方で、前述したように受け取り拒否や返品が増えると、利益を圧迫してしまいます。商品単価が高いほど、1件あたりのリスクも大きくなるので、特に注意が必要です。
「新規顧客獲得のためにあえて導入する」場合には、受け取り拒否率や返品率のモニタリングをこまめに行い、「思ったよりコストがかかるな」と感じたら、代引き決済を限定的にする(特定の商品だけ)などの工夫も検討しましょう。
代引き以外の決済手段との比較(Amazon Pay、後払いなど)

Amazonでの販売を拡大するにあたっては、多様な決済手段を組み合わせることがカギとなります。代引きだけに注力するのではなく、Amazon Payや後払い決済といった選択肢も検討することで、幅広い顧客層をカバーできるでしょう。
Amazon Pay:スムーズな決済でカート離脱を防ぐ
Amazon Payは、Amazonアカウントを利用して支払いができる決済サービスです。ユーザーは既に登録済みのクレジットカード情報を使用するだけなので、支払い時の入力手間が大幅に減ります。
手数料はかかるが、利便性の高さが魅力です。リピーターにとっては「ワンクリックで注文完了」というスピード感が大きなメリットとなります。
Amazon内ではなく、自社ECサイトでもAmazon Payを導入している事業者が増えています。ユーザーの心理的ハードルを下げるという意味では、非常に有効な手段といえるでしょう。
後払い決済(Paidy、atoneなど):代金回収リスクなし
後払い決済(Paidy、atoneなど)は、購入者は商品を受け取った後に請求書が届き、それをコンビニなどで支払う仕組みです。事業者は後払い事業者から立て替え払いを受けるため、未回収リスクが少ないでしょう。
代引きよりも手数料が高めに設定されていることが多いですが、若年層や、ネットでのカード利用に抵抗がある層に人気です。
後払い決済は「代金回収リスクを事業者が負わなくて済む」という強みがある一方、手数料率が高く、商品価格帯が低い場合には利益を圧迫するおそれがあります。また、後払いサービスを導入する手続き(審査など)に手間がかかるケースも多いので、自社のビジネス規模や顧客属性に合ったサービスを選びましょう。
クレジットカード決済:依然として主流
クレジットカード決済は、最も一般的なオンライン決済手段です。多くのユーザーが慣れており、ポイントも付与されやすいのが特徴。
手数料は代引きより安い傾向にありますが、不正利用のリスクやチャージバックへの対応が必要になる可能性があります。
クレジットカード決済は、ネット通販において主流であることは間違いありません。ただ、すべての顧客がカードを保有し、かつオンライン決済に抵抗を感じないわけではないため、補完的に代引きや後払いを組み合わせることでさらなる売上拡大が望めます。
Amazonで代引き決済を導入すべきか?判断のポイント

ここからは、Amazonで代引き決済を導入すべきか?判断のポイントについて解説していきます。
新規顧客獲得の余地があるか
「クレジットカードを持たない層」や「ネット決済に抵抗がある層」を取り込みたい場合には、導入価値が高いといえます。特に商品単価がそこまで高くないジャンルであれば、受け取り拒否によるロスも限定的で済むでしょう。
受け取り拒否リスクの影響度
高額商品の場合、一度の受け取り拒否で大きなコストを被る可能性があります。返品送料や再入荷費用などを踏まえ、「どの程度までリスク許容できるか」を算出しておく必要があります。
代替決済手段との比較検討
Amazon Payや後払い決済などを導入している場合は、すでにカバーできている層がどれだけあるかを考えましょう。もし「どうしても代引きでしか買わない層が残っている」のであれば、導入の意義があります。
FBA利用の有無
代引きを使うにはFBAが必須です。既にFBAを利用している出品者ならハードルは低いですが、自己発送のみで運営している場合は、FBA切り替えによる追加コスト(FBA手数料など)を検討しなければなりません。
最終的には、「どのくらいの新規顧客を見込めるか」と「どのくらいのコストやリスクを許容できるか」のバランス次第です。まずは一部商品で試験的に導入してみて、カート離脱率や返品率、受け取り拒否率などを検証してから、本格導入を決めるのが無難といえるでしょう。
Amazon代引きに関するよくある質問

ここからは、Amazon代引きに関するよくある質問に回答していきます。
Amazonで代引きの設定方法は?
AmazonではFBAを利用している場合のみ、代引き決済が可能です。FBAを利用することで、自動的に代引きが有効になります。
Amazonの代引き手数料はいくら?
2025年時点では330円(税込)で、購入者負担となります。
Amazonで着払いはできる?
いいえ、Amazonでは着払いは利用不可です。代引き決済とは異なり、着払いのオプションは提供されていません。
受け取り拒否が発生した場合はどうする?
受け取り拒否された場合、商品はAmazon倉庫に返送され、出品者が返品送料を負担することになります。そのため、事前の確認や過去の注文履歴をもとに、受け取り拒否リスクの高い顧客には別の決済手段を案内するのが有効です。
Amazonの発送方法と注意点については、こちらの記事をご覧ください。
代引きを導入しないほうがよいケースは?
返品が多い商品、高額商品の場合は、代引き決済のリスクが大きくなります。また、頻繁にキャンセルされる可能性がある場合は、代引き以外の決済手段を検討するのが良いでしょう。
まとめ
Amazonでの代引き決済は、新規顧客獲得やカート離脱率の低減に効果的な手段ですが、受け取り拒否や返品対応のリスクも伴います。そのため、FBAの利用状況や販売商品に応じて、適切な運用ルールを設けることが重要です。また、Amazon Payや後払い決済を併用することで、顧客の多様なニーズに応える販売戦略を実現できます。
代引き決済の導入を検討する際は、本記事の情報を参考にしながら、自社に最適な決済手段を選択し、売上拡大を目指しましょう!
「売上がなかなか上がらない」
「どんな広告を打ったらいい?」
この記事を書いた人

- 2021年11月に創業し、店舗立ち上げ初期から月商1億円以上の店舗まで120社以上を支援してきました。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。売上アップ率は233%。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。
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