AMSとは?Amazon Advertisingとの違いをわかりやすく解説

「AMSって何?」
「AWSやAmazon広告とは何が違うの?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
AMS(Amazon Marketing Services)は、2018年まで使われていたAmazon広告の旧名称です。現在はAmazon Advertisingへと統合されており、統合された際に広告の種類にも変更がありました。
この記事では、AMSの広告の種類や利用対象者、料金などをまとめました。また、広告活用のメリットや運用のポイントまで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
AMS(Amazon Marketing Services)とは?

「AMS」とは、Amazonの出品者が活用できる広告「Amazon Marketing Service(アマゾン・マーケティング・サービス)」の略です。まずはAMSの定義や似た用語との違いを確認していきましょう。
AMSの定義(2018年まで使われていたAmazon広告の旧名称)
AMS(Amazon Marketing Services)とは、2018年9月まで使用されていたAmazonの広告サービスの旧名称です。現在は「Amazon Advertising(Amazon広告)」というサービスに統合されています。
名称は変わりましたが、提供されている広告メニュー自体はAmazon広告の中の「スポンサー広告」として引き継がれています。Amazonサイト内に広告を掲載でき、Amazonの出品者が商品の売上を拡大するのに重要な広告です。
AMSとAWSの違い
AMSとAWSは、名前が似ているため混同されがちですが、まったく異なるサービスです。
AMS(Amazon Marketing Services)はAmazonの広告サービスの旧名称です。Amazonに出品しているセラーが、より多くの商品を売るために使う広告です。
一方、AWS(Amazon Web Services)はAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。AmazonがサーバーやデータベースなどのITインフラをインターネット経由で提供します。
AMSはネットショップの出品者用のサービス、AWSはシステム運用者やアプリ開発者用のサービスと押さえておきましょう。
Amazon Advertisingへ名称変更された背景
AMSは、2018年に「Amazon Advertising」へ統合され、名称が変更されました。その背景には、Amazonの広告事業の拡大があります。
従来のAMSは、主にAmazonマーケットプレイスの出品者向けの広告サービスのみ提唱していました。しかし、Amazonが事業を拡大し、ECモールのサイトやアプリ内だけでなく、KindleやFireTVなどのサービス上でも広告の提供を始めました。
この提供を始めるタイミングで、AMSはAmazonのサービス全体を横断する形で広告を使用できる「Amazon Advertising(Amazon広告)」へ統合されています。
統合されたAMSのAmazon広告の種類
AMSは現在、Amazon広告として統合されています。現在はどのような広告として提供されているのか、それぞれの特徴を踏まえて紹介します。
Sponsored Products(スポンサープロダクト広告)
スポンサープロダクト広告は、ユーザーがAmazon内で商品を検索したり、商品ページを見たりする際に表示される広告です。
この広告は、設定したキーワードに連動して表示されるため、購入意欲の高いユーザーに直接商品をアピールできます。また、クリックされた場合にのみ料金が発生する「クリック課金制」なので、コストを抑えて効果的に運用できるのが特徴です。
新商品の露出を増やしたい場合や、特定の商品の売上を伸ばしたい場合に特に向いています。
参考:スポンサープロダクト広告 – 商品の売り上げ促進 | Amazon Ads
スポンサープロダクト広告については、以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
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Sponsored Brands(スポンサーブランド広告)
スポンサーブランド広告は、商品だけでなくブランドロゴやカスタム見出しも表示できる広告です。検索結果の上部など目立つ場所に掲載されるため、ブランドの認知度を向上させるのに役立ちます。
この広告をクリックすると、自社の商品ページに顧客を誘導し、購入を促すことが可能です。複数の商品をまとめてアピールできるため、新ブランドの立ち上げ時や、ブランドのファンを増やしたい場合に活用しましょう。ただし、利用するには事前にAmazonブランド登録が必要です。
参考:スポンサーブランド広告 – ブランド認知度の向上 | Amazon Ads
Sponsored Display(スポンサーディスプレイ広告)
スポンサーディスプレイ広告は、Amazon内外のウェブサイトやアプリに掲載される画像広告です。
Amazonのトップページや商品詳細ページに加え、TwitchやIMDbといったAmazonが所有するサイトなど、さまざまな場所に表示されます。
この広告は、Amazonのユーザーの行動履歴に基づいて、興味を持ちそうなユーザーに再アプローチする「リターゲティング」に特に向いています。
ブランド認知を広げながら、一度サイトを離れた潜在顧客をストアに呼び戻し、商品購入ページへ誘導するのに効果的な広告です。
参考:スポンサーディスプレイ広告 – ディスプレイ広告キャンペーンの作成 | Amazon Ads
AMS(現在はAmazon Advertisingに統合)を利用できる対象者

AMS(現Amazon Advertising)は、誰でも利用できるわけではありません。AMSの広告を出稿するには、基本的には出品者(セラー)または取引会社(ベンダー)のアカウントが必要です。
セラーの場合は「大口出品」「小口出品」の2種類の出品プランからどちらかを選ぶ必要があります。このとき、小口出品プランを選んでいるセラーは広告を出稿できません。
また、セラーやベンダーとしてAmazonに登録していない場合でも、一部の広告(AmazonDSP広告)を利用することは可能です。ただし、AmazonDSP広告は代理店を通じて大規模な広告運用をする広告なため、しっかりと内容を精査したうえで導入を検討する必要があります。
| 出品者(セラー):小口出品 | Amazon広告出稿不可 |
| 出品者(セラー):大口出品 | Amazon広告出稿可 |
| 取引会社(ベンダー) | Amazon広告出稿可 |
| どちらもアカウントなし | AmazonDSPのみ出稿可 |
AMS(現在はAmazon Advertisingに統合)の料金
AMS(現Amazon Advertising)の料金を、広告の種類ごとにまとめました。ただし、広告費用についてはあくまでも目安です。出稿時の設定や条件で変動するため、運用前に必ず確認し、予算を決めましょう。
<Amazon Advertisingの費用相場>
| 広告の種類 | 最低出稿料金 | 課金形式 | 費用 |
| スポンサープロダクト広告 | なし | クリック課金 | 1クリックあたり5〜10円 |
| スポンサーブランド広告 | なし | クリック課金 | 1クリックあたり5〜10円 |
| スポンサーディスプレイ広告 | なし | クリック課金※広告が1,000件表示されるごとに発生する「ビューアブルインプレッション単価」も選択可能 | 1クリックあたり5〜10円 |
| 【参考】Amazon DSP | 3,000,000円〜 ※代理店によって運用料金が変わる可能性あり | CPM課金 | 3,000,000円〜 |
AMS(現在はAmazon Advertisingに統合)を利用するメリット

続いては、AMSを利用することで得られたメリットについて解説します。現在はAmazon Advertisingに統合されていますが、統合前のAMSにはどのようなメリットがあったのか見ていきましょう。
知名度や露出度が上がる
AMSを利用していた際は、トップページ上位にAMS広告が表示されたり、目に付きやすい場所へ画像として出稿されたりしていました。
Amazonの検索結果ページ上位に商品を表示させるために、売上数やレビュー数などの条件が必要とされていました。そのため、知名度や露出度をアップさせるには長い年月がかかるものだったといえます。
AMSならそのような手間も省けるため、販売促進に効果的な広告でした。
競合のページにも掲載できる
Amazonの商品詳細ページには、「この商品に関連する商品」と、別の商品が表示されることがあります。
このレコメンド機能は、かつてAMSの広告で時点の商品を差し込むことができました。「すごく良い商品だけど値段がちょっとな…」「もう少しデザインが好みだったらいいのに…」といったニーズに対応できる広告です。
競合の商品ページに自社商品を表示させ、競合商品を買おうとしているユーザーを自社商品へ誘導できる手段でした。少しでも出面を増やし、ライバルからシェアを奪えることから、競合ページに出稿するメリットは大きかったといえます。
低コストで出稿できる
AMSは、すべてクリック型広告と呼ばれる料金形態でした。クリック型広告とはクリックした時点で費用が発生する仕組みです。
この料金形態の場合は、広告が表示されただけでは費用は発生せず、広告がクリックされてはじめて広告費が発生します。予算の上限を設定でき、「今月は広告費を使い過ぎた」「想定以上にAmazonでの広告費が膨れ上がった」などの事態を防止できる仕組みでした。これは現在のAmazon広告にも引き継がれている料金形態で、予算が限られた方やはじめて広告運用する人にはピッタリです。
購買意欲の高いユーザーに訴求できる
AMSは、購買意欲の高いユーザーに限定してリーチできる広告です。ユーザーへ手あたり次第にアプローチするわけではありません。
たとえば、スポンサープロダクト広告は、検索キーワードにあわせて表示する広告スタイルです。検索窓に「メンズ ポロシャツ」と入力すると、検索結果画面の上部に男性用ポロシャツの広告が表示されます。あくまでも、ユーザーが商品を探すために入力したキーワードと連動して、広告が掲載されるものでした。
キーワードを入力してわざわざ検索する方は、ニーズに合致する商品があれば購入するつもりであることが多いです。結果として、効率的に購買意欲の高いユーザーにリーチできます。
費用対効果を明確に確認できる
AMSを利用すれば、同時に広告レポートが活用できました。広告レポートとは、出稿している広告の成果を分析できるツールです。
たとえば「商品が売れるまでにどれだけ広告費がかかったか?」「7~9月の中で一番クリックされた月はいつだろう?」などが、数値で確認できます。
このように、広告のパフォーマンスを確認することで、広告効果が良好なものやそうでないものが数値でわかります。レポートをもとに費用対効果を確認できたため、より正確な改善施策へつなげることができ、少ない費用でも大きな売上をうみ出すことができました。
AMS(現在はAmazon Advertisingに統合)の出し方
Amazon出品者として登録していれば、以下の手順でAMS(現Amazon Advertising)を出せました。
- Amazonのセラーセントラルにログイン
- メニューから「広告」を選択
- 表示される「広告キャンペーンマネージャー」をクリック
- 広告タイプを選択
- 広告(キャンペーン)の詳細を設定
- 広告を掲載したい商品やクリエイティブを登録
- 広告の運用を開始する
このAMSを出稿する流れは、現在のAmazon Advertising(Amazon広告)でも変わっていません。
AMSでも現在の広告でも、1日の予算や広告の種類、配信する期間などを事前に決めてから出稿するとスムーズです。
ただし、広告ごとに事前に用意しておくとよい内容は、AMSと現在のAmazon広告では異なるため、出稿する際は必ず最新の情報を確認しておきましょう。
詳しい広告の出し方については、以下の記事にまとめているので、こちらも参考にしてください。
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AMS(現在はAmazon Advertisingに統合)を運用するポイント

続いては、AMSを効率良く運用するポイントについて解説します。このポイントは、AMS広告がAmazon Advertisingに統合された現在でも変わっていません。
Amazonの広告運用で重要なポイントになるため、しっかりと押さえておきましょう。
実際に検索してみる
スポンサープロダクト広告やヘッドライン検索広告(現在のスポンサーブランド広告)では、出稿したらどのように表示されているか確認することが重要です。
Amazonのサイトで検索し、想定したとおりに表示されているのか、ユーザーの目に触れやすい場所に掲載されているかを確認します。クリックすると広告費が発生するため、あくまでも表示を確認するだけにしておきましょう。
広告を出稿すると、間違いなく競合とAMSの枠を取り合う形になります。実際に検索することで、自身でAMSに出稿した商品だけではなく、どんな競合商品が上位に表示されているかも分かります。
入札価格は随時見直す
AMSでは、広告の入札価格を設定して出稿します。ただ、入札額が競合に負けていると、狙ったような上位表示されず、なかなかユーザーに見つけてもらえません。
そのため、AMSで出稿したら実際に検索して表示されている箇所を確認し、もっと良い位置に掲載されたいなら入札価格を修正する必要があります。
一度AMSの運用を開始すると、その後露出や入札価格を見直す方は案外少ないです。露出に合わせてこまめに入札額をチューニングすることで、競合より優位な掲載位置を確保できるでしょう。適切な入札価格を設定できれば、露出がアップし、クリックされる回数も伸びやすくなります。費用対効果の高い広告運用ができるため、入札価格の見直しは定期的に行いましょう。
除外キーワードを活用する
除外キーワードとは、スポンサープロダクト広告のみで使える「キーワードの絞り込み機能」です。
たとえば、除外キーワードに「ポロシャツ」と登録しておけば、ユーザーがポロシャツと検索しても広告は表示されません。
この機能を使うと無駄な広告費用を省け、効率的に運用できます。
「広告を出稿しているけど効果が出ていない」「クリックはされるけど売上にはつながらない」といった悩みをお持ちの方は、無駄なキーワードに出稿しているかもしれません。コンバージョンにつながっていないキーワードがあれば、除外キーワードを活用してみましょう。
商品ページを作りこむ
AMS(現Amazon Advertising)を出す際の最終目的は、商品を販売し、売上につなげることです。売上を上げるために、商品ページは定期的に見直し、しっかりと作りこみましょう。
商品ページへ訪れたユーザーは、購買意欲が高い可能性があります。そのユーザーがどのような情報を求めているのか、購入するためにどのような情報が必要なのかを考えて、ページを充実させることが大切です。
広告を使い始めると、広告運用ばかりに気をとられ、商品ページの改善が後回しになってしまうケースは珍しくありません。定期的に商品ページを見直す癖を付けておきましょう。
AMS(現在はAmazon Advertisingに統合)に関するよくある質問
AMS(現Amazon Advertising)は、Amazonで広告運用を始める多くの出品者にとって疑問の多い分野です。ここでは、AMSに関してよくある質問とその回答を確認していきましょう。
AWSマネージドサービスとは何ですか?
AWS Managed Services (AMS) は、AWS(Amazonのクラウドサービス)をエキスパートが運用代行するサービスです。
AWS Managed Services をさす「AMS」の場合は、Amazonのクラウドサービスに関連する用語として使われています。Amazon出品者が使う広告の「AMS」とは、分野が大きく異なる点に注意しましょう。
AmazonAdsの会社名や会社概要を教えてください
日本のAmazonAds(Amazon Advertising)は、アマゾンジャパン合同会社が提供している広告サービスです。会社概要は以下のとおりです。
<会社概要>
会社名:アマゾンジャパン合同会社(Amazon Japan G.K.)
設立:2000年親会社:Amazon.com
主な事業:EC(Amazon.co.jp)、クラウドサービス(AWS)、Amazon Prime、Amazonデバイス(Kindle、Echoなど)
AmazonのAMS広告は今でも使えますか?
はい。AMS広告は「Amazon Advertising(Amazon広告)」として現在もサービスを提供しており、利用可能です。
ただし、基本的にはAmazonに出品しているセラーやベンダーのアカウントが必要になるため、誰でも使えるわけではない点に注意しましょう。
AmazonDSPとはどのような広告ですか?
Amazon DSPとは、主にAmazon内外のユーザーに広告を配信できるサービスです。広告配信の設定に、Amazon利用者のデータを活用することができます。
ただし、Amazonに認定された代理店を通すか、直接Amazonに依頼する必要があります。一般的なAmazon広告とは異なり、セルフサービスでの出稿はできません。
Amazon広告を使っても売れないのですが…
Amazon広告を使っても売れない場合、まずはレポートの確認から始めましょう。レポートでは、以下の数値をチェックします。
- インプレッション
- クリック率
- コンバージョン率
露出は十分あるのにクリックされないならサムネイルや価格設定を、クリックされているのにコンバージョンにつながらないなら商品ページの品質を見直し、改善しましょう。
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まとめ|AmazonのAMSで売上をアップさせよう

AMS(現Amazon Advertising)は、適切に活用することで商品やブランドの露出を大幅に高められる施策です。Amazonの売上アップに欠かせないため、Amazonでの売上に伸び悩んでいるなら、ぜひ取り入れましょう。
広告運用のポイントは、目的に合わせて広告の種類を選定し、効果的な運用を目指すことです。ただし、広告運用は一度で完璧な成果が出るわけではなく、何度も改善を重ねてブラッシュアップしていく必要があります。
Amazonの広告運用は、焦らずに、じっくりと腰を据えて取り組むみましょう。コツコツと改善を重ねていくことで、その効果を最大限に発揮できるようになります。
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