楽天市場に出店するのにかかる費用は?

「楽天市場に出店してみたいけれど、どれくらいお金がかかるのだろう?」

「出店の仕方がよくわからないから、誰かにわかりやすく解説してほしいな」

日本トップクラスのオンラインショッピングモールである楽天市場は、圧倒的な知名度と利用者数を誇っています。多くの企業や個人事業主にとって、新しいビジネスの舞台として魅力的に映ることでしょう。

しかし、具体的に出店を検討するとなると、費用のことや手続きのことでさまざまな疑問が生じます。

本記事では、楽天市場に出店する際に必須である知識、費用・出店方法・出店までの流れについて解説します。

楽天市場に出店するメリット

楽天市場に出店するメリット

楽天市場への出店を検討する際、多くの企業や個人事業主がもっとも注目するのが、プラットフォームの持つ独特のメリットです。ここでは楽天市場の持つ主なメリットを、以下の2つに分けて解説します。

  • 利用者数が多い
  • セールやキャンペーンが定期的に開催されている

順番に見ていきましょう。

利用者数が多い

楽天市場の最大のメリットは、膨大な利用者数にあります。

まず楽天IDの数は1億以上ともいわれ、ほぼ日本の人口と同じくらいになっています。流通金額は2022年で5.6兆円で、前年比12.3%増と拡大を続けています。日本のどの大手百貨店よりも大きな数字であることはいうまでもありません。

出店者としては、多数の利用者に対して商品やサービスを直接アピールするチャンスにあふれています。

新規店舗であっても、楽天市場のブランド力と利用者数の多さをバックに、あっという間に多くの人々の目に触れる機会を得られます。

結果として、知名度の向上や売り上げの増加、長期的なブランドの育成などにおいて大きなアドバンテージを得られるでしょう。

セールやキャンペーンが定期的に開催されている

楽天市場のもう一つの大きな魅力は、定期的に開催されるセールやキャンペーンです。一連のプロモーション活動は、利用者の購買意欲を刺激するだけでなく、出店者にとっても大きなチャンスをもたらす要素となります。

楽天スーパーセールや楽天カード特典キャンペーンなど、さまざまなテーマや規模での企画が実施され、これらに参加することで店舗の露出が一気に増加することが期待できます。

セールやキャンペーンに参加するメリットは、商品が大量に売れる機会を得られるだけではありません。

新たな顧客層を獲得するチャンスでもあります。とくにキャンペーン期間中に優れた商品やサービスを提供することで、多くのリピート顧客を獲得できるチャンスが広がるでしょう。

参考:楽天市場出店のメリットとデメリット|楽天市場出店

楽天市場の出店にかかる費用

楽天市場への出店を考える際、多くの人が気になるのが出店にかかる費用です。まず把握しておきたいのは、楽天市場が提供するさまざまなプランと、それぞれのプランに応じた費用構造です。

以下では具体的な費用を一つひとつ見ていきます。

お店を開くのに必要な「出店料」

楽天市場で店舗を開設する際の基本的な費用は、出店料として設定されています。全部で3つのプランがあります。

「がんばれ!プラン」は、楽天市場に初めて出店する小規模な事業者や、楽天市場での販売を試してみたいと考える事業者向けのプランです。

初期投資を最小限に抑えたい、手軽に出店をスタートさせたいといったニーズに答える内容です。

月額の出店料は、19,500円となっています。

「スタンダードプラン」は、中規模の事業者や、一定の商品数を持ち楽天市場での販売を本格的に考えている店舗に適したプランです。

より多くの機能やサポートが提供され、中規模以上の店舗運営を着実に支えてくれます。

月額の出店料は、50,000円となっています。

「メガショッププラン」は、大規模な事業者や、多数の商品を取り扱いたい、あるいは高度なカスタマイズや機能を求める店舗に向けたプランです。

3つのプランの中でもっとも豊富な機能とサポートを提供しています。

月額の出店料は、10万円となっています。

売上に応じてかかる「システム利用料」

楽天市場での販売がスタートすると、売上に応じてシステム利用料が発生します。販売実績やトランザクションのように応じて変動する料金です。

選択した出店プランによって、以下のように異なる料金体系が敷かれています。

  • がんばれ!プラン:月額売上高の3.5~7.0%
  • スタンダードプラン:月額売上高の2.0から4.5%
  • メガショッププラン:月額売上高の2.0から4.5%

システム利用料は、パソコンとモバイルという2つの異なるアクセス経路によっても料金が変動します。

具体的には、モバイル経由の購入が増える現代のショッピング環境を考慮し、モバイル経由の売り上げにはやや高めの利用料が設定されています。

ポイントやアフィリエイトなどにかかる「システムサービス利用料」

システムサービス利用料とは、楽天ポイントやアフィリエイトなどのサービスに関する料金です。

楽天ポイントは、楽天市場を利用する多くのユーザーにとって魅力的な特典として受け取られています。

楽天ポイントの提供には、店舗側からの一定の料金が必要になります。楽天市場内での取引の安全性や利便性を向上させる目的でも、利用料は発生します。

さらに楽天スーパーアフィリエイトというサービスを利用することで、ほかのWebサイトやブログからの訪問者を増やすことも可能です。

楽天スーパーアフィリエイトを利用するための料金も、システムサービス利用料として店舗に請求されます。

顧客とのコミュニケーションに使う「R-Messe利用料」

楽天市場の出展者には、顧客とのコミュニケーションを効果的に行うためのツールとして「R-Messe(アールメッセ)」が提供されています。

R-Messeは、ユーザーと店舗間のコミュニケーションをスムーズに行うための機能を数多く搭載しており、出店者が問い合わせ対応やアフターサポートを行う際の大きな助けとなります。

スタンダードプランとメガショッププランは月額5,000円、がんばれ!プランでは月額3,000円となっています(いずれも税別)。

決済処理に必要な「楽天ペイ(楽天市場決済)利用料」

楽天市場での取引を円滑に進めるため、決済手段として楽天ペイが提供されています。

楽天ペイは、顧客に安全かつスムーズに商品を購入してもらうための重要な要素であり、店舗にとっても売り上げの確保や資金の流動性を保つために不可欠なサービスです。

楽天ペイの利用料は、以下のように設定されています。

楽天ペイの利用料
平均決済単価月間決済高
~100万円~200万円~300万円~500万円~1,000万円~3,000万円~1億円~5億円5億円~
0~7,000円3.5%3.4%3.4%3.3%3.3%3.2%3.2%3.0%2.9%
7,000円~1.5万円3.4%3.3%3.3%3.2%3.2%3.0%2.9%2.8%
1.5~2.5万円3.3%3.3%3.2%3.2%3.0%2.9%2.8%2.7%
2.5~3.5万円3.3%3.2%3.2%3.0%2.9%2.8%2.7%2.6%
3.5~5万円3.2%3.2%3.0%2.9%2.8%2.7%2.6%2.5%
5万円~3.2%3.0%2.9%2.8%2.7%2.6%2.5%2.5%

引用元:月額コストと手数料の詳細(楽天市場出店)

ほかにもチャージバック補償制度などが用意されており、利用する場合には楽天ペイのタイプに応じて、0円から8,000円までの月額保険料がかかります。

その他オプションサービス利用料金

楽天市場では、出店者のニーズにあわせてさまざまなオプションサービスを提供しており、それぞれに利用料金が設定されています。

まず、「R-SNS」というサービスがあります。これは現代のマーケティングに欠かせないSNSを、楽天市場の店舗運営に最大限活用するためのサービスです。

LINE公式アカウントやInstagram、Facebook、ROOMといったSNSとの連携をサポートし、店舗のプロモーションやコミュニケーション活動を効果的に行うための機能を提供します。

R-SNSを利用するには、月額3,000円が必要となります。

また、「R-Mail」というサービスもあります。店舗からのメールマガジン配信をサポートするものです。基本料金は無料で、メール配信量が1通あたり1円と設定されています。

参考:月額コストと手数料の詳細|楽天市場出店

楽天市場への出店の流れ

楽天市場への出店の流れ

楽天市場に新たに出店を検討する場合のステップをざっくりいうと、以下のようになります。

  • 出店申込を行う
  • 開店準備を行う
  • 運営スタート

一つひとつ具体的に見ていきましょう。

出店申込を行う

出店の第一歩は、楽天市場の公式サイトから申込を行うことです。申込フォームに必要な情報を入力し、送信します。入力する情報としては、ショップ名や業種、代表者の住所、連絡先などがあります。

申込が完了したら、楽天市場からの連絡を待ちます。通常であれば、システムを利用できるようになるまでに2週間~1ヶ月ほどかかることに注意しましょう。

審査などさまざまなプロセスがあるため、すぐにシステムが提供されるわけではありません。

この段階で、楽天市場の出店に関する規約や必要な料金、提供するサービス内容などの詳細情報をしっかり把握しておくことが重要です。

開店準備を行う

出店申込の手続きが完了したら、具体的な開店の準備フェーズが始まります。非常に重要な段階であり、どれだけしっかり準備するかが、後のショップの成功に直結するといっても過言ではありません。

まずショップの全体的なコンセプトやブランドイメージを明確にし、それにあわせたデザインを決定する必要があります。

楽天市場ではさまざまなテンプレートが提供されていますが、これを基盤として、色合いやロゴ、独自の要素を加えてブランディングを強化するのがおすすめです。

次に商品のラインナップを整理し、商品情報を登録する作業に入ります。写真は高品質にし、商品説明も詳しくわかりやすい文言で書かれていることが求められます。

価格設定や在庫管理の方法も、この段階で決定します。どちらも販売機会の損失を避けるため、顧客満足度を保つために、しっかり考え抜くことが不可欠です。

運営スタート

開店の準備が整い、ショップのページが完成したら、運営のスタートフェーズに入ります。

初期段階は、新規顧客の獲得やリピーターの育成という面で非常に大切です。開始当初は、まだ多くの顧客から認知されていないため、楽天市場内でのプロモーション活動や外部からの広告活動を積極的に行い、ショップの知名度を上げる努力が必要です。

購入者からのフィードバックやレビューにも注目する必要があるでしょう。よいレビューは新しい顧客の信頼を勝ち取る手助けとなりますが、逆に悪いレビューは改善の指標として捉え、サービスの向上に役立てるよう努めなければいけません。

とくに初期の段階では、各顧客とのコミュニケーションを大切にし、長期的な関係性の構築を目指す姿勢が求められます。

参考:ショップ開店までの方法と流れ|楽天市場出店

楽天市場に出店する際の注意点

楽天市場に出店する際の注意点としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 出店には審査がある
  • 取り扱えない商材がある
  • 運営に関してさまざまな禁止事項がある

いずれも重要な要素なため、以下の解説をしっかり読んで把握しておきましょう。

出店には審査がある

楽天市場への出店は、自動的に認められるわけではありません。出店審査というプロセスが存在し、楽天が用意した基準を満たすことが求められます。

審査は、楽天が提供するプラットフォームの信頼性や品質を保つためのもので、たとえば違法商品の取り扱いや虚偽の情報提供などが発覚した場合、出店が許可されない可能性があります。

出店を申し込む前には、楽天市場の出店条件や審査基準をしっかりと確認し、自社のビジネスモデルや取扱商品が適合しているかを確認することが大切です。

正確かつ真実の情報提供、適切な業務運営が必要となるため、申し込みの際には提出書類など必要なものをきちんとそろえることをおすすめします。

取り扱えない商材がある

楽天市場には、取り扱えない商材が設定されている点にも注意すべきです。楽天市場は、利用者の安全を守るため、また社会的な問題や法的な制約を避けるために、特定のカテゴリや商品の取り扱いを制限しています。

たとえば、危険物・違法薬物・武器やその類似品・動物の販売・著作権を侵害する商品などは、楽天市場のプラットフォームにおいて取り扱うことができません。

したがって出店を検討する際には、楽天市場の取り扱い禁止商品リストやガイドラインを詳細に確認し、自社商品のラインナップが適合しているかを慎重に検討する必要があるでしょう。

適合しない商品を取り扱ってしまうと、出店が許可されないだけでなく、すでに出店している場合は取り締まりやペナルティの対象となる恐れもあります。

運営に関してさまざまな禁止事項がある

楽天市場での店舗運営には、運営方法やプロモーション活動にも多くのルールや禁止事項が存在します。利用者の信頼を維持し、平等で公正なマーケットプレイスの環境を提供するために必要なものです。

たとえば、以下のようなものが禁止事項とされています。

  • 店舗ページ内に楽天市場外部へのリンクを貼ること
  • システム利用料を回避するための方法を提供すること
  • 店舗関係者によるサクラレビューをすること

禁止事項を遵守することは、楽天市場での長期的な成功を築くうえでとても重要です。違反が発覚した場合、楽天市場からの出店停止や体験といった重大な結果を招く恐れもあります。

運営ルールやガイドラインを十分に理解し、正当な運営を心がけましょう。

参考:出店審査や規約、取扱商材の注意事項|楽天市場出店

楽天市場で売上を立てるコツ

楽天市場で売上を立てるコツとしては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 商品ページを作り込む
  • SEO対策を行う
  • 広告を活用する

成功するためには、いずれも欠かせない要素です。きちんと把握しておきましょう。

商品ページを作り込む

楽天市場での成功のカギは、商品ページの質を高めることです。消費者が購入を検討する際、商品ページは唯一の判断基準であり、内容やデザインが購買意欲に大きく影響を及ぼします。

詳細な商品説明や魅力的な商品写真、構成で肯定的なレビューや評価、FAQセクションの充実など、さまざまな要素が商品のヒットには欠かせません。

商品ページは定期的にリニューアルすることが望ましいでしょう。市場の動向や消費者のニーズに応じて、最適な情報提供やプロモーションを展開することで、売上は伸びていきます。

SEO対策を行う

SEO(検索エンジン最適化)とは、検索結果の上位に自社の商品を表示するための自作のことです。検索結果の上位に表示されることで、他社の類似商品との競争に打ち勝つことができ、売上増加につながります。

SEOのための重要な要素としては、適切なキーワードの選定・高品質なコンテンツ・内部リンクの最適化・店舗ページのデザインの使い勝手などが挙げられます。

SEOを客観的に評価するシステムのようなものは存在しませんが、SEOにこだわることにより結果が大きく変化することは明らかです。内容のあるPDCAサイクルをしっかりと回し、より商品をアピールできるよう工夫していきましょう。

広告を活用する

有料広告の活用は、短期的な売上アップや新規顧客の獲得に効果的です。楽天市場内外での広告展開を考慮することで、より多くの潜在顧客にアプローチすることが可能となります。

楽天市場内にも多くの広告スペースが存在しますが、ほかにもGoogleや各種SNSでの広告活動も、確実に効果を発揮するでしょう。一度サイトを訪れたユーザーに再度広告を表示させる「リターゲティング広告」を打ち出すことにより、リピーターを増加させ、経営を安定させることもできます。

広告活用には、適切な予算配分や継続的な効果測定、最適化が必要です。定期的な分析と調整を行いながら、戦略的に広告展開をしていきましょう。

楽天市場への出店に関するよくある質問

楽天市場への出店に関する疑問や不安を感じる人も多いことでしょう。ここでは、多くの人が寄せがちな質問に回答していきます。

個人事業主でも出店できる?

個人事業主でも、楽天市場に出店することは可能です。楽天市場は、大手の法人企業から個人事業主まで、幅広い事業者が商品を販売しているプラットフォームです。

しかし出店するにあたっては、必要な手続きや書類の提出が求められるため、公式ガイドラインや出店条件をしっかりと確認し、準備を進めなければいけません。事業の内容や取り扱う商品によっては、特定の資格や許可が必要な場合もあるので、注意しましょう。

出店審査に通らないときはどうすればいい?

出店審査に通らなかった場合、まず考えるべきは具体的な理由です。楽天側から詳しく理由が説明されることはないので、自ら考えなければいけません。

出展審査に通らない主な理由としては、以下のようなものがあります。

  • 取扱禁止商品が含まれている
  • 店舗での運営や販売実績がない
  • レンタルオフィスやバーチャルオフィスで住所契約をしている
  • ガイドラインに違反している

このようなありがちな理由に引っかかっていないかどうか、今一度チェックしてみましょう。

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楽天市場は、多数の店舗との競争が激化している巨大なマーケットプレイスです。楽天市場での成功は、単に商品を出品するだけでは難しく、日々の努力や適切な戦略、継続的な最適化が求められます。トレンドをしっかりと理解し、顧客のニーズを的確に捉えることが不可欠です。

しかし、多くの店舗オーナーや事業者が一連の戦略を一人で行うのは困難です。ビジネスを成功させるにあたって考えなければならないことは山ほどあり、とくに初めてECサイトにチャレンジする場合、結果に結びつけるのは非常に難しいことであるといえるでしょう。

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また運営代行サービスも提供しており、日々の楽天市場での業務を代わりに行うことが可能です。これにより、店舗オーナーは商品開発やほかのビジネスの拡大に注力することが可能です。

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まとめ:楽天市場に出店してみよう

楽天市場は、国内最大級のオンラインマーケットプレイスとして、多くの企業や個人事業主にとって魅力的なビジネスチャンスを提供しています。利用者が多く、定期的なセールやキャンペーンで注目度が上がるため、商品の露出や売り上げを伸ばすチャンスがあります。

さまざまなプランやシステムが用意されており、店舗の規模やニーズに応じた戦略を立てることが可能です。

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